2025年シーズンは、2024年のMotoGP王者ホルヘ・マルティンにとって波乱と挫折の連続だった。プラマック・ドゥカティで初のタイトルを獲得したマルティンは、ファクトリー待遇を得てアプリリアへと移籍。しかし、開幕前の負傷で戦いの準備が整わないままシーズンに突入し、その後も大怪我に見舞われるなど苦境に立たされた。

度重なる負傷でタイトル争いから離脱
カタールGPでは11箇所肋骨を骨折し肺も損傷。日本GPではチームメイトのマルコ・ベッツェッキとの接触で鎖骨を脱臼骨折。本格的なタイトル争いに加わることなく、34ポイントでシーズンを終えた。その一方で、2025年のMotoGP王者にはマルク・マルケスが返り咲いた。6年ぶりとなる戴冠を果たし、かつての怪我から完全復活した姿は、多くのライダーやファンに希望を与えた。FIMアワードのスピーチでマルケスは「このカムバックが多くの人の励みになれば」と語ったが、マルティンもその一人だ。
マルティン、マルケスの復活に刺激「自分にもできる」
「マルクの事例は間違いなく素晴らしいカムバックの好例だと思います。自分をマルクと比べるつもりはありません。彼は全く別の人間で、別のライダーです。でも、自分にもできると分かっています。今年のアプリリアの成績に関しては、アプリリア、そしてマルコのために本当に嬉しく思っています。彼らは素晴らしいグループです。でも、アプリリアがマルコに合っているからといって、自分にも合うとは限りません。」
アプリリアのポテンシャルに手応え、復調への手応えも
「自分はまったく違うタイプのライダーで、このバイクに慣れるまでに時間が必要です。バイクのポテンシャルは素晴らしいですし、自分のポテンシャルも高いのでそれを一つにまとめるだけですね。ミサノのテストではすごく良い感触があったし、日本で転倒する前も日に日に自信を深めていました。そこまでに積み上げてきた流れを再び築いていきたいと思います。」
「アプリリアに賭ける」チームとの絆と覚悟
「アプリリアには感謝しています。彼らは今、自分の状況を理解してくれていると思います。今は、どんな決断を下しても、最後まで貫くというのが自分の信条です。自分には戦ってくれる素晴らしいグループがいますし、これからどうなるか見ていきたいです。今はアプリリアのライダーでこれが自分の決断であり、最後までそれに賭けるつもりです。」
中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近はまた乾式クラッチのDucatiに乗りたいと思っています。