ライダーが患う「肺挫傷」とは何か?

ブルノGPの後に行われたブルノテストでは、チームスズキECSTARのジョアン・ミルが激しく転倒、「肺挫傷」を患っている。そこで「腕上がり」ほどではないにせよ、ライダーが患う可能性がある「肺挫傷」について解説する。

肺挫傷=肺の打撲

肺の挫傷と聞くと一体どんな怪我なのだろう?と思いきや、最もわかりやすい説明としては、肺挫傷とは肺の打撲だ。内臓の1つである肺は交通事故、もしくは高いところから転落するなどして胸部を強打すると症状が現れる。今回のミルの場合もテスト中に高速で転倒しており、おそらく転倒時に胸を強打したのだろう。
 

肋骨骨折、気胸、血胸を同時に患う可能性も

肺挫傷では、肺挫傷の直接的な原因である胸部の強打によって、肋骨の骨折、外傷性の気胸、血胸を合併する可能性が高い。なお、気胸とは何らかの原因で肺に穴が空き、肺の外側にある胸腔内に空気が漏れて肺がしぼんだ状態のことを指し、血胸は胸腔内に血液が溜まってしまう状態のことを指す。
 

肺挫傷によって発生する症状

肺挫傷を患うとまず発生するのが呼吸困難、そして胸の痛みだ。これは合併している可能性の高い肋骨骨折、気胸、血胸の度合いによって異なってくる。
 

肺挫傷の診断方法

肺挫傷の診断には、通常胸部レントゲン、CTスキャンを用いる。これらの画像診断で肺の様子だけでなく、骨折の有無、気胸、血胸の有無を同時に確認することが可能だ。
 

肺挫傷の治療法

肺挫傷の治療に関しては、基本的には損傷部分の自然回復を待つ形になる。肺や他の臓器の損傷が酷くない場合は、痛み止めを使用した痛みを和らげる治療を行い、呼吸困難が酷い場合は酸素吸入、人口呼吸器の使用などが行われ、気胸、血胸を合併している場合は、溜まった空気や血液を抜く治療が行われる。
 

肺挫傷を防ぐには

肺挫傷は胸部の強打が原因の1つであり、胸部を外傷から守る胸部プロテクターを装着することで、ある程度の予防が可能だ。近年はライダーが脊椎プロテクターに加えて、走行前にレザースーツを開けて胸元から差し込んでいるパットのようなものがあるが、あれが胸部プロテクターだ。ハニカム構造のものや、D3Oを使用したものなど様々なものが市販されているので、我々一般ライダーも装着するにこしたことはないだろう。