ミシュランによるヘレスGPの決勝レースリリースです。今週末はレインタイヤ、スリックタイヤ共に、ミシュランがラインナップした全てのタイヤが使用されたということです。
ミシュランはMotoGP世界選手権第4戦の舞台となったスペインのヘレスにおいて、今年3人目の優勝ライダーとなるダニ・ペドロサが地元で優勝したのを見届けた。ペドロサは予選でポールポジションを獲得。そのままホールショットを奪い、一度も後ろを振り返る事無く27周のレースでリードを広げて優勝を飾った。また今回のMotoGPレースはグランプリレースが始まって3000回目となるグランプリレースであった。
ペドロサがレースを圧倒する中で唯一接近出来たのはチームメイトのマルク・マルケスで、フロント、リアにハードコンパウンドのMICHELIN Power Slick を履いていた。これはフロントにハード、リアにミディアムコンパウンドを履いたペドロサとは対象的で、マルケスはその差を詰めるべくレースを通じてプッシュを続けたが、周回を重ねる中でマルケスは2位に落ち着き、チャンピオンシップでのポイント差を詰めることに成功した。3位表彰台はDucatiのホルへ・ロレンソが獲得。これはロレンソにとってDucati移籍後の初の表彰台となり、彼が選択したフロント、リア共にミディアムというタイヤは、ミシュランがライダー達が最高の結果を得ることが出来るように、それぞれのバイク、ライディングスタイルに合わせてラインナップしているタイヤが有効に機能したことを表している。
独立ライダー1位となり4位を獲得したのはヨハン・ザルコで、ルーキーライダーの成熟した走りは、彼に今シーズン最高の結果をもたらした。5位はアンドレア・ドヴィツィオーゾ、6位マーヴェリック・ビニャーレス、7位ダニロ・ペトルッチ、8位はジョナス・フォルガーとなり、アレイシ・エスパルガロが9位、チャンピオンシップリーダーのヴァレンティーノ・ロッシは10位となった。ロッシはチャンピオンシップのリードを維持しているが、その差は僅かだ。
今日のレースはドライで暖かい気温の中で行われた。上昇する気温はトラック温度を上げ、スムーズなことで有名なヘレスのトラック表面はグリップが低下。にも関わらず、今年のレース全体のタイムは昨年よりも速く、最新のコンパウンドのタイヤはライダー達に可能な限りのグリップを提供した。今週のレースもミシュランがラインナップした全てのコンパウンドが全てのセッションを通じて使用され、ウェット路面となった初日はフロント、リアのMICHELIN Power Wetsが使用された。また、レース前にライダー達がレースでの使用タイヤを決定する過程において、ミシュランが用意した異なるコンビネーションの全てのスリックタイヤが使用された。
ミシュランとほぼ全てのMotoGPフィールドはヘレスに残りテストを行う。ここでは現行タイヤと構造的に固いプロトタイプタイヤの比較テストが行われる。次回のMotoGPレースはミシュランのホームレースとなるフランスの伝説的なサーキットであるル・マンで、5月21日日曜日に行われる。
ダニ・ペドロサ
「今日は素晴らしいレースが出来て嬉しいですし、今週は素晴らしい週末でした。タイヤはグリップが低いトラックで上手く機能しました。タイヤのマネジメントはいつもより難しく、特にフロントタイヤに関しては練習走行よりもグリップがない状態でしたのでハードを選択しました。今日はマルクがプッシュをしてきている中でもタイヤを上手くマネジメントして1位を獲得出来ました。ですからこの結果は嬉しいですね。ライバル達のペースが遅かったのでラッキーでしたし、チャンピオンシップ上でもポイントをいくつか獲得することが出来ましたね。」
テクニカルディレクター ニコラ・グベール
「今日はチャレンジングな一日でした。皆が心配していたとおり、今日のコンディションはトラックのグリップを著しく下げてしまったんです。路面は常に滑りやすかったんですが、気温が上がるごとにグリップがさらに下がり、ライダー達が今週末の中で対応する事が無かった状況になってしまいました。ライダー達は最高のパフォーマンスを発揮するためにタイヤを上手にマネジメントする必要があり、来年も再びトラック温度が高かった場合は、これは我々が対処するべき問題だと言えるでしょう。今週は普通ではない天候で金曜の最初のセッションでは雨が降りました。これは我々にとってウェットタイヤを評価する機会となりましたが、タイヤはどちらのコンパウンドも非常に良い形で機能しました。」
「それ以外のフリープラクティス、予選セッションでは、ライダー達によって全てのバリエーションのスリックタイヤが使用されました。今日のレースでは再びライダー達が、バイク、ライディングスタイルに合った異なるオプションのタイヤを使用しました。この後は月曜に重要なテストがあり、こうした内容を受けて今シーズンのフロントタイヤの構造の方向性を決めようと考えています。テストを楽しみにしていますし、ミシュランのホームであるル・マンで開催される次回のレースも同様に楽しみにしています。」
(Photo courtesy of michelin)
<ミシュランタイヤ プレスリリース>