3月開催に向けて2つの大きな問題
3月20日にMotoGPレース初開催を控えたインドネシアのマンダリカ・インターナショナル・ストリートサーキットで、2月11日から3日間の日程で公式テストが開催された。
初日は前日に降った雨でコースが汚れ、泥だらけのMotoGPマシンという、ここ最近記憶する限りでは見たことがない姿のMotoGPマシンの姿がSNS上に多数アップされた。[adchord]
その後、各チームの各選手が走行を進める中で路面コンディションは徐々に回復。レーシングラインについてはタイヤのゴムがある程度載ったことでタイムも向上していった。
3日目のテストを終えた後は各選手からコースレイアウト自体は良いと言う声や、レース開催が待ち遠しいというコメント(リップサービス)も聞かれたが、実際のところマンダリカでのレース開催は早くも問題を抱えている。問題は大きく分けて2つで、1つは路面に大量浮いた砂、そして2つ目が路面自体の著しい剥がれだ。
路面に浮いた大量の砂
大量に浮いた砂はコース上の至る所で写真でも目視できるほどで、レーシングラインを外すと途端にグリップを失うほどの状況になっている。
2日目にマルク・マルケスが、あえてポールポジション位置からではなく、3番手ポジションからスタート練習を行っていたが、スタートした次の瞬間にバイクが横を向いて、ピット側ウォールに突っ込みそうになる一幕があった。
新設のサーキット、かつ未だサーキットの各種設備の建設中であることを踏まえると、砂が浮いているのはある程度は仕方ない面もあり、建設作業が完了した後はさほど心配はないようだ。[adchord]
とは言え、今回のテスト終了時点の日曜程度の路面状況で金曜のセッションがスタートするとなると、金曜のセッションは実質的に路面を掃除するだけの捨てセッションになる確率が高い。
路面が剥がれ、小石状になってコースに散乱
2つ目の問題は路面の著しい剥がれで、高いグリップのタイヤが、非常に脆い路面をえぐり、それが細かい破片、石となってトラック上に散乱、さらにこれらの細かい石を前走車のタイヤが巻き上げ、それが後続のバイク、選手に激突する状況だった。
選手の中には前走車が巻き上げる小石状のアスファルトでバイザーに傷がついた選手もいたようで、フランチェスコ・バニャイアは、この小石がぶつかった左腕が赤い痣になっている姿を公開している。
ファビオ・クアルタラロは、この小石が首に当たって痛みを感じたと語っているし、当然これだけの石が高速で飛んでいれば、マシンも無事ではあるまい。
さらにこれがあくまでテストに過ぎず、練習走行、決勝レースでは、多くのバイクが固まって走行することも高く、集団の後方でレースをすることは、もはや危険以外の何物でもない状況だ。[adchord]
路面の再舗装が急遽決定
FIM、ドルナもこの事態を重くみたようで、インドネシア観光開発公社(ITDC)とも連携を取りつつ、グランプリ開催前に急ピッチ路面を再舗装することを決めた。
具体的にはターン17の手前からホームストレート、そしてターン5の後まで再舗装が実施される。なお、この再舗装については、MotoGPの安全基準を満たすように行わるという。
レース自体の日程変更や中止は避けられた形となるが、レース開催の週末までは30日程度しかない。また、トラック側が再舗装に使えるのは3月11日までという話もある。30日以内にサーキットの路面再舗装、まだ終了していない建設が終わることを願いつつ、インドネシアでのMotoGP開催を待つことになる。
(Photo courtesy of michelin)