ヤマハはオーストリアのレッドブル・リンクでの2連戦で、ブレーキのオーバーヒートの問題を抱えていた。先週のレースでは、前回のファビオ・クアルタラロのオーバーヒートを受けてブレンボは冷却リブが備わった改良版のキャリパーを投入。
しかしロッシ、フランキーが語るように、ストレートスピードで劣るヤマハはブレーキを酷使して差を詰める以外に方法がなく、スタンダードキャリパーを使用していたマーべリック・ビニャーレスのブレーキがオーバーヒートを発生。ブレーキを酷使するサーキットでは今後も同様の問題が発生する可能性があると言える。
事故原因は明らかにされていないが、ウイングレットによってブレーキング時のダウンフォースが高まっていることで、より安定して強力にブレーキをかけられるようになっていることも要因の1つをされている。
ヤマハライダーはブレーキに過大なストレスを与えている
バレンティーノ・ロッシ
「先週ブレーキに少し問題がありましたので、今週はブレンボのエンジニアと作業して、新しいキャリパーを使用しています。これのおかげか、レースでは特に問題は感じていません。このトラックはブレーキにシビアですから、皆が大型のブレーキ冷却ダクトを付けていました。」
「しかしヤマハのほうが他のメーカーよりも苦戦していたようです。おそらくこれはヤマハのバイクがストレートで失っているスピードを、ブレーキングでなんとか取り戻そうと必死になっているからでしょう。ヤマハはストレートは遅いもののブレーキングは強力なんです。ですからヤマハライダー達はブレーキを必死で行って、ブレーキに過大なストレスを与えているんです。」
ヤマハはブレーキングで追いつくしかない
フランコ・モルビデッリ
「このトラックでは他のトラックよりもブレーキに苦戦していたのは間違いありません。考えられる理由はヤマハのストレートの遅さです。ヤマハはなんとかしてブレーキで追いつくしか方法がないので、ブレーキをハードにかけることになります。」
「このトラックではターン1、3、4などハードにブレーキをかける必要があるコーナーが複数箇所が連続してあります。こうしたこともあって、ブレーキがオーバーヒートしてしまうんでしょう。」
「先週ファビオのブレーキがオーバーヒートしてこともありましたから、ブレンボからは新型のキャリパーを使用するように言われていて、自分達は今週新しいキャリパーを使用していました。彼らは自分達の問題から最適なソリューションを提案してくれました。本当に感謝しています。」
「今までこうした問題は起きていませんでしたが、年々バイクが速くなっていることもあって、ブレーキにストレスがかかるようになっているんでしょう。」
(Source: yamaha-racing)
(Photo courtesy of michelin, yamaha-racing)