濡れた路面のルマンでベンスナイダーが20位のゴールビェシェキルスキも22位で完走を果たす

第10戦フランスGPの決勝は、不安定な天候に翻弄されるレースになりました。微妙に乾きつつある難しい路面状態からスタートした25周の戦いで、NTS RW Racing GPのボ・ベンスナイダーは、コンディションという敵とも戦いながら20位でチェッカーフラッグを受けました。ピオトル・ビェシェキルスキも22位でゴールをしました。

今回のMoto2クラス決勝レースは、MotoGPの後という変則的なスケジュールでした。MotoGPクラスが終わったときは陽光も射して、路面が微妙に乾きかけていました。ウェットタイヤでレースに臨むか、あるいはこのまま路面が乾いていくことを期待してスリックタイヤで勝負するか、という選択に、皆が頭を悩ませました。結局、全員がスリックタイヤでグリッドにつきましたが、ドライコンディション用のセットアップへ変更する充分な時間の余裕はありませんでした。また、乾きかけている走行ラインはごくわずかで、この状況がレース序盤のオーバーテイクをさらに難しくしました。

ベンスナイダーは、ドライコンディションで行われた午前のウォームアップセッションでは16番手タイムを記録していました。しかし、湿った路面の決勝レースでは、この材料を充分に活かしきることはできませんでした。ベンスナイダーのスタートは万全ではありませんでしたが、1周目を終えた段階ではスタートしたときのポジションを守っていました。少しずつリズムを掴み、自信を持って走れるようになると前の集団に追いつき、ニコロ・ブレガ選手や長島哲太選手、ホルヘ・ナバロ選手たちを相手にバトルを繰り広げました。

しかし、長島選手のオーバーテイクに時間を要したため、ロレンツォ・ダラ・ポルタ選手とエドガー・ポンス選手に逆にオーバーテイクを許す結果になってしまいました。その結果、ベンスナイダーは、優勝したサム・ロウズ選手から1分12秒930差の20位でゴールをしました。

チームメイトのピオトル・ビェシェキルスキは、レーススタートで微妙にジャンプスタート(フライイング判定)となったため、2回のロングラップペナルティを受けました。その影響で大きく集団から離されてしまい、レース終盤にはトップグループに追い抜かれて周回遅れとなりましたが、それでも最後まで懸命の走りを続けてチェッカーフラッグを受けました。

次戦の第11戦アラゴンGPは、スペインのモーターランドアラゴンで開催。今週金曜日、10月16日の現地時間午前10時55分(日本時間17時55分)に、フリー走行1回目がスタートする予定です。

ボ・ベンスナイダー選手(ゼッケン64)

(決勝レース:20位)
「今日のレースはとてもコンディションが難しかった。ドライのレーシングラインはごくわずかだったので、グリップを稼ぎながら自信を持ってオーバーテイクしていくことがとても難しかったんだ。でも、周回を重ねていくとフィーリングが良くなってきて、ペースを上げていけるようになった。長島選手を4回くらい追い抜こうとしたんだけれど、そのたびにフロントが切れ込んで、自分の走行ラインがワイドになってしまった。そこからまた追いついてゆくためにがんばったんだけど、イン側が開いた隙をポンス選手とダラ・ポルタ選手に狙われて、抜かれてしまった。最後はなんとかがんばって、長島選手を抜いたけれども、残念なレースになってしまった。気持ちを切り替えて、次戦のアラゴンで再びがんばりたい。次の週末の天候は安定してほしいね」

ピオトル・ビェシェキルスキ選手(ゼッケン74)

(決勝レース:22位)
「今日は本当に厳しいレースでした。路面状態に慣れるまで数周かかってしまったのですが、調子を掴んでからは前に見えるグループに迫ることもできそうでした。残念ながら、ほんの少しジャンプスタートになってしまったことが原因で、ロングラップペナルティを受けたので、そのグループからも離れることになってしまいました。その後は、ミスなく走って自分のラップタイムを上げていくことに集中しました。最後は、昨日の予選タイムに迫るくらいのラップタイムを出せました。昨日の予選はレースの路面状態よりもずっとコンディションがよかったので、それを考えるといい走りをできたと思います。」

「レースでは、もちろんもっといい結果を狙っていたのですが、今日はたくさんのことを勉強できました。週末を通してがんばってくれたチームには、本当に感謝をしています。今回のルマンもそうですが、グランプリサーキットは初めて走行する場所が多く学ぶことも多いのですが、次のアラゴンはCEVヨーロッパ選手権で走行経験があるサーキットなので、今からとても楽しみです」

(Source: NTS)

(Photo courtesy of NTS)