FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)の舞台はフランスに移り、マニクール・サーキットでシーズン第8戦が開催される。WorldSBKクラスでは、ピレリ(Pirelli)はスタンダードタイヤ、デベロップメントオプションに加えて、新しいフロント・レイン・ソリューションをライダーに提供するが、WorldSSPクラスでは、スタンダードタイヤのみの供給となる。ピレリ(Pirelli)FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)2021 マニクール戦 プレビュー

21レースを終えた時点で、スーパーバイク世界選手権のライダーズランキングは、ジョナサン・レイとトプラック・ラズガトリオグルが同ポイント(311ポイント)、スコット・レディングが273ポイントで続いており、かつてないほどの大接戦となっている。
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WorldSSPでは、ドミニク・エガーターが257ポイントを獲得し、スティーブン・オデンダールに47ポイント差をつけてランキングトップに立っている。WorldSSP300では、Adrian Huertasが129ポイントを獲得し、トム・ブース・アモスに11ポイント差をつけて首位に立っている。

今から60年以上前の1960年にオープンしたマニクール・サーキットは、全長4411メートル。右回りのコーナーが9つ、左回りのコーナーが8つあり、コーナーの最小半径は5メートル、最大半径474.45メートル、ストレートの長さは250メートルだ。上り坂の最大傾斜は2.38%、下り坂は2.68%で、急な減速と再加速を繰り返しながら、中距離のストレート、高低差のあるコースが特徴だ。

国際サーキットの中では、高速ストレートから続く最もヘビーなブレーキングポイントのひとつであるヘアピン(アデレード)があり、アスファルトは滑らかで規則正しい表面をしているため、特に低温時やウェット時には自然なグリップが得られない。さらに、下り坂ではライダーがブレーキをかけなければならない箇所もあり、フロントタイヤに負担がかかる。

マニクール戦のWorldSBKクラス、WorldSSPクラスのタイヤ

WorldSBKクラスでは、スリック、インターミディエイト、レインなど、フロントに5種類、リアに6種類のソリューションが用意される。フロントのスリックは、スタンダードSC1(ソフトコンパウンド)と、ミサノ、アッセン、モスト、ナバラでライダーが試すことができたデベロップメントタイヤのSC1 A0508の2種類が使用可能だ。
ピレリ(Pirelli)FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)2021 マニクール戦 プレビュー
悪天候の場合には、標準のレイン・オプションに加えて、ピレリが開発したA0593仕様のレイン・ソリューションが使用出来る。このコンパウンドは、ドニントンで発表されたもので、低温時や滑らかなアスファルトの場合でも、特にコーナー進入時や最大傾斜角で標準品よりも優れたグリップを発揮する。

リアタイヤは6種類から選択可能。今大会では、スーパーソフトコンパウンドのスタンダードSCXと、スタンダードソフトコンパウンドのSC0が選択可能で、加えて加速時の安定性とサポート性を向上させる新しい構造を採用したA0557仕様のデベロップメントSCXソリューションも用意されている。
ピレリ(Pirelli)FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)2021 マニクール戦 プレビュー
ウェット・ソリューションに関しては、ピレリは昨年このサーキットで発表したX1251仕様のデベロップメントソリューションをライダー達に提供する。このタイヤはウェット・コンディション、特に低温時のグリップ向上を目的としたコンパウンドを使用している。

WorldSSPのライダーは、スタンダード・ソフトSC1とスタンダード・ミディアムSC2の2種類のフロント・オプション、スーパー・ソフト・コンパウンドSCXとソフト・コンパウンドSC0の2種類のスタンダードリア・オプションを使用することができる。

また、スーパースポーツクラスのライダーは、雨天時に備えてインターミディエイトとレインソリューションが使用出来る。

(Source: Pirelli)

(Photo courtesy of Pirelli)