セパンではMotoGPライダー達によるセパン公式テストが金曜から始まった。トップタイムを記録したのはMooney VR46のマルコ・ベッツェッキでタイムは1:58.470だった。なお、2位はマーべリック・ビニャーレス、3位はエネア・バスティアニーニだった。

しかし今回のセパンテストは今後の2023年シーズンを戦う上で、冬季の間の開発内容の確認、これからの方向性を探る意味でも、タイムは重要ではなく、各チームが何を目的にどうしたテストを行っているかが重要だ。[adchord]

ホンダ

ホンダのマルク・マルケスは2022年11月のバレンシアテストで「このバイクではタイトル争いは出来ない」と語って1年を終えたが、冬の間のHRCの作業を確認するテスト初日となった。

マルク・マルケスのガレージには4台のバイクが用意され、2022年型、今までテストで登場していた2023年型が2台、そして新しいバイクが1台用意されていた。

新しい見た目のバイクはインテーク形状等大きくイメージが異なるもので、2021年に使用したウイングを採用。サイドフェアリングはダウンフォースを狙ったと思われる形状、さらにKalexではないアルミ製スイングアームを採用していた。なお、マルク・マルケスはこの日12番手だった。

ジョアン・ミルは2台の2023年型のホンダを試して17番手。リンスも同様の内容のテストとなってこの日を18番手、誕生日を迎えた中上 貴晶は22番手。この日は2つのシャーシとエンジンを試していたが、何よりも2022年に負った手の怪我の回復具合は良好のようだ。

ヤマハ

ファビオ・クアルタラロ、フランコ・モルビデッリはそれぞれ3台のバイクをテスト。シェイクダウンで話題となったニューエンジンを早速試していた。

ファビオ・クアルタラロはこの日334.3km/hを記録し、ヤマハがこの冬に開発を進めてきたエンジンの成果をしっかりと確認した。テスト初日ということもあり、コントロール性の判断には時間がかかりそうだ。

なお、ファビオ・クアルタラロはこの日10番手、フランコ・モルビデッリは11番手となっている。なお、カル・クラッチローはこの日テストに参加しておらず、代わりに中須賀克行が走行している。

DUCATI

マルコ・ベッツェッキは昨年図抜けた性能を発揮したGP22で走行。この日のトップタイムを記録している。また、今年からファクトリーチームで走行するエネア・バスティアニーニが3位タイム、ホルヘ・マルティンが4位タイムを記録した。今年ゼッケン1番のフランチェスコ・バニャイアが5位となった。

エネア・バスティアニーニ、フランチェスコ・バニャイアは基本的に2022年型と思われるバイクで走行を行っており、フランチェスコ・バニャイアは午後にシェイクダウンテストで使用された、新しいエアロパッケージをテストしていた。

Pramacのホルヘ・マルティンは基本的に新しいテストは行っておらず、ヨハン・ザルコが新しいエアロパッケージをテストして7位。ファビオ・ディ・ジャンアントニオは今年はバイクも変わり8位タイムを記録。アレックス・マルケスは完全にDucatiが初めてにも関わらず9番手タイムを記録した。ルカ・マリーニは13番手となった。

アプリリア

マーべリック・ビニャーレスはこの日3台のバイクをテスト。アレイシ・エスパルガロも同様に3台のバイクで、2022年型1台、2023年型2台という体制のテストとなった。

2023年型はシェイクダウンテスト同様に新しいエアロパッケージを装備、テールユニット、エキゾーストにアップデータが施されている。またシャーシやスイングアームも新しくなっているようだ。マーべリック・ビニャーレスはこの日2番手タイムを記録。アレイシ・エスパルガロは6位で終えている。

RNFのミゲル・オリヴェイラはこの日転倒もありつつ14番手となった。チームメイトのラウル・フェルナンデスは15番手となった。

KTM

ジャック・ミラーはバレンシアでテストしていたエアロパッケージをテストしており、この日16番手。チームメイトのブラッド・ビンダーはエンジンスペックの比較に集中していた様子。この日を21番手で終えている。

GASGAS

ルーキーのアウグスト・フェルナンデスはシェイクダウンテストからレギュラーライダーとして唯一参加していたライダーだけあって、RC16ではトップタイムを記録。この日19番手となった。フェルナンデスは新しいテールユニットをテストしており、ホンダから移籍したポル・エスパルガロはバレンシアテストでビンダーが試したシャーシをテスト。この日を20番手で終えた。

なお、セパンテストは土曜、日曜と開催される。

(Photo courtesy of michelin)