トプラックは移籍理由を明確にしていない

ヤマハからMotoGPに参戦する可能性を捨てて、BMWに移籍、2024年からBMWでFIM スーパーバイク世界選手権(SBK)に参戦するトプラック・ラズガットリオグルについて、「なぜBMWを選んだのか?」という明確な理由はトプラック・ラズガットリオグルの口から現時点では明確に語られていない。

しかし、現実問題としてトプラック・ラズガットリオグルの年齢(26歳)、ソフォーグルがWSBKライダーとして育ててきた背景、MotoGPのレベルの高さ、MotoGPにおけるヤマハの戦闘力の低さ、年間レース数、サラリー等を考えても、トプラックにとって、MotoGPに参戦するメリットはあまり無い。[adchord]

しかし、BMWはFIM スーパーバイク世界選手権(SBK)において本レースにおける優勝経験はなく、表彰台を争える実力が現時点であるとも言えないため、トプラックの選択について疑問に感じているファンは少なからずいる。BMW唯一の勝利記録としては、2021年10月開催のポルトガル戦、ウェットコンディションのスーパーポールレースで、マイケル・ファン・デル・マークが優勝したことだ。

もちろんベースマシンの性能の差、現行のレギュレーションによる戦力差はあるものの、少なくともトプラック・ラズガットリオグルが現時点でBMWに乗り換えてすぐさま優勝争いができるとは思えない。しかし、そう考えるとBMWのバイクを勝てるバイクに作り変えていくという新しいチャレンジをトプラック・ラズガットリオグルが望んだと考えられなくもない。

トプラック・ラズガットリオグルは「もしWSBKに残るなら新しい目標が必要」とだけ語っており、BMWを優勝できるバイクにすること、共にチャンピオンを獲得することが、彼にとっての新しい目標ということだろうか。[adchord]

なお、トプラック・ラズガットリオグルのチームメイトについては、怪我で離脱中のマイケル・ファン・デル・マークになる可能性があり、好成績を残せていないスコット・レディングが残留するかどうかは未知数。なお、インデペンデントチームではギャレット・ガーロフが走っているが、彼は2024年まで契約が残っているため、ファクトリー入りすることは考えられないだろう。

ヤマハはアンドレア・ロカテリの残留が決定しているものの、ロカテリのチームメイトが誰になるかは興味深いところだ。ヤマハにはドミニク・エガーター、レミー・ガードナー、バルダッサーリ、ブラッドリー・レイなど才能豊かな選手が揃っている。なお、2024年の契約が決まっている選手は、ジョナサン・レイ、アルヴァロ・バウティスタ、ギャレット・ガーロフ、そして今回のトプラック・ラズガットリオグルくらいなので、比較的大きなライダー変更が2024年にあっても不思議ではない。