ポルトガルGP2025 プレビュー:ポルティマオのアップダウンに対応するためMoto2はソフトリアに集中配備

ポルトガル・アルガルヴェ・インターナショナル・サーキットで開催される2025年のポルトガルGPに向け、ピレリはMoto2™クラスにおいてリアタイヤをソフトコンパウンド2種類に絞って供給する。スタンダード仕様のSC0に加え、同じコンパウンドを使用しながらも構造を進化させたデベロップメント仕様E0125が投入される。

E0125は今季10回目の投入となり、これまでにシルバーストン、アラゴン、アッセン、バラトン、バルセロナ、ロンボクなど計6戦でSC0との同時配備が行われており、そのすべてにおいてE0125が選ばれた実績がある。

Moto2:標準SC0と開発E0125のソフトリアで勝負

Moto2™のライダーは、リアタイヤとして以下の2種を使用可能:

  • SC0(スタンダード仕様ソフト)
  • E0125(デベロップメント仕様ソフト)

E0125は標準SC0と同じコンパウンドだが、より洗練された構造が採用されており、これまでのGPで一貫して選ばれ続けてきた。今回のポルティマオでも選択される可能性が高く、将来的には2026年標準ソフトへの昇格も視野に入る。

Moto3:2024年と同様のタイヤ構成を維持

Moto3™クラスでは、2024年と同様のタイヤ配備が継続される:

  • フロント/リア共:
  • ソフト SC1
  • ミディアム SC2
    (各コンパウンド8本ずつ)

昨年のポルトガルGPでは、リアはSC1とSC2の選択がほぼ均等に分かれた一方で、フロントはSC2が圧倒的に好まれていた。

ポルティマオの過酷な路面がタイヤに与える影響

ポルトガルGPの舞台となるアルガルヴェ・サーキットは、2020年にMotoGPカレンダーへ初登場し、今回で6回目の開催となる。高低差が激しく、最大12%の下り坂と6%の上り坂を含むレイアウトが特徴。高速かつブラインドのコーナー、特に最終コーナーのような長く速い右コーナーでは、タイヤに大きな横・縦荷重がかかる。また、急激な下り坂でのブレーキングではフロントタイヤが特に酷使される。

ジョルジョ・バルビエ(ピレリ 二輪レースディレクター)

「現在シーズンも終盤に差し掛かっており、特にMoto2™クラスにおいて、これまでの開発作業を評価し、2026年の製品レンジに導入可能かどうかを見極める時期に来ています。これは毎年行っている重要なプロセスであり、世界選手権に参戦するライダーだけでなく、各国選手権に参加するライダーや、サーキット走行を楽しむ一般ライダーにとっても恩恵となります。」

「E0125は今季これまでにシルバーストン、アラゴン、アッセン、バラトン、バルセロナ、ロンボクの各GP、さらには開幕戦ポルティマオを含むWorldSBKの一部ラウンドでも使用されてきました。いずれのイベントでも、標準のSC0との比較でE0125が上回っており、実際にほぼすべてのライダーがE0125をレースで選択しています。今回も同様の傾向が予想されます。」

「これにより、異なる特性のサーキット、異なる気候条件、異なる選手権・マシンでの使用データがそろい、E0125を新しい標準ソフトとして採用するかどうかを判断する準備が整います。2024年のポルトガルGPは3月に行われ、全ライダーがSC0を使用しましたが、今年は11月開催。両月の平均気温は似ているものの、11月は雨の可能性がやや高い点が異なります。」

タイヤ配備概要:
Moto2™:

  • リア:SC0(標準ソフト)/E0125(開発ソフト)

Moto3™:

  • フロント&リア:SC1(ソフト)/SC2(ミディアム)
    (各コンパウンド8本ずつ)