最終戦バレンシアGPのミシュランタイヤの決勝レースリリースとなります。今シーズンはシーズン前半に選手達から不満が多かったタイヤから一転して、ムジェロGPから新しいフロントタイヤを投入、これによって選手達が快適にライディング出来るようになり、数々の歴史に残る名勝負が生まれた素晴らしいシーズンとなりました。なお、今年を最後にミシュランのニコラ・グベールさんが勇退。今後はFIMのMoto-e世界選手権のエクゼクティブディレクターとして手腕を振るうこととなります。

ミシュランはシーズン後半のMotoGP世界選手権において、マルク・マルケスがライダーズタイトルを獲得、チームメイトのダニ・ペドロサが優勝し、ホンダが最終戦バレンシアで最高の形のチャンピオンシップの最後を迎えたのを目撃しました。

マルケスはポールポジションから完璧なスタートで3周をリード。4周目にヨハン・ザルコがファステストラップを記録し、マルケスからリードを奪います。ザルコは既にルーキー・オブ・ザ・イヤーとインデペンデントライダーズタイトルを獲得しており、19周レースをリード。その後マルケスはザルコを抜こうとしてミスをし、これであわや転倒するところでグラベルに突っ込みます。

マルケスはバイクを起こして5位でレースに復帰。彼のライバルであるアンドレア・ドヴィツィオーゾに僅かな望みを与えます。しかしドヴィツィオーゾは致命的なミスによって転倒、再び走りだしましたが結局レースをリタイアしています。これによってマルケスのタイトル獲得が決定します。その後のマルケスのミスによってザルコがレースをリード。しかし最終ラップにダニ・ペドロサに抜かされます。ザルコは2位でレースを終え、独立チーム1位、そしてファステストタイムを記録したライダーとなりました。

マルケスは3位でレースを終えます。これでマルケスは2年連続でMotoGPのタイトルを獲得します。これは彼によって4度目の最高峰クラスのタイトル、6度目の世界選手権のタイトルを獲得します。これらの2つの記録を24歳で達成したことで、マルケスはこの2つの記録の最年少記録保持者となりました。今日の結果でホンダはチームタイトル、ライダースチャンピオンシップにも獲得しました。これでホンダは既に獲得しているコンストラクターズタイトルと合わせて3冠達成となります。ホンダが3冠を達成したのは2014年以来です。

ミシュランのPower Slickタイヤは6通りの中の5通りの組み合わせが使用されました。トップ3名のライダー達は、それぞれのマシンに合わせて異なる組み合わせを選択しています。ペドロサはハードタイヤをフロントに、ミディアムにリアを選択。ザルコは前後ともにソフトタイヤを履きました。マルケスはハードをフロントに、リアにソフトを選択しています。またしてもミシュランが提供した選択肢によって、それぞれのライダー、メーカーが最適なタイヤを選択することが出来たと言えます。

今日の観戦客は110,220人となり、眩し良い日差しの中でトラック温度も26℃となりました。こうした環境でチャンピオンシップのクライマックスには多くのバトルが展開されました。アレックス・リンスはミディアムをフロントにリアにソフトを履いて4位を獲得。これは彼にとって今期ベストとなる結果です。つまりトップ4名の選手達はそれぞれ異なる組み合わせのタイヤを選択したということとなります。バレンティーノ・ロッシはミディアムをフロントに、ソフトをリアに履いて5位、アンドレア・イアンノーネが6位、ジャック・ミラーが7位、カル・クラッチローが8位、ミケーレ・ピッロが9位、ティト・ラバトは10位を獲得しています。これもまた彼にとってはシーズン最高の結果となります。

今週末はまたホンダのミシュランタイヤテクニシャンであるPatrick Isaccoにとって最後のレースとなりました。彼は40年に渡り献身的に作業を続け、ミシュランは彼の次なる人生の船出が素晴らしいものとなることを祈っています。またミシュランはMotoGPプログラムの副部長、テクニカル・ディレクターであり、スーパーバイザーであったニコラ・グベールとも別れを告げます。彼はドルナに加入し、FIMのMoto-e世界選手権のエクゼクティブディレクターに就任します。ミシュランはまた彼にも新たな冒険の成功と、今までのミシュランへの貢献に対して感謝を延べたいと思います。

ミシュランはこの後バレンシアに残り、火曜と水曜に開催される2018年シーズンの最初のテストに参加します。この後にはマレーシア、MotoGPカレンダーに新たに追加されるタイ、カタールの3箇所で、それぞれ1月、2月、3月にテストが行われます。そしてその後に2018年3月18日カタールのロサイル・インターナショナルサーキットにおいて2018年シーズンが開幕します。

ダニ・ペドロサ

「今日は優勝出来たことで特別な1日となりました。今日は色々なタイヤに組み合わせがあり、自分がミディアムを選んだ中、バトルをした何名かのライダー達はソフトのリアタイヤを履いていました。しかしリアタイヤは皆にとって上手く機能していました。全体的にポジティブなレースでした。最後にこうやって素晴らしいファンの前で優勝が出来ました。」

マルク・マルケス

「ワールドチャンピオンになることが出来て本当に嬉しいですね。2年間ミシュランのタイヤでタイトルを獲得出来ましたが、これは自分にとって素晴らしいことです。シーズン前半はタイヤの限界を理解するのが難しかったんですが、ミシュランは素晴らしい仕事をしてくれ、こうした細かい問題を全て解決してくれました。そうして全てのライダー達がライディングを楽しむことが出来るようになったんです。今シーズンは本当に素晴らしいものでしたし、全てチームとミシュランスタッフが大きな助けとなってくれました。本当にパトリックには感謝を述べたいですね。彼は本当にボックス内で大きな助けになってくれました。彼は今日で引退しますが、彼は本当に特別な人物ですよ。」

ミシュラン テクニカルディレクター ニコラ・グベール

「今日は昨年我々がMotoGPに復帰して以来達成しようとしてきたことを証明出来た1日でした。これは全てのライダーとメーカーに全てのレースにおいて、決勝レース日に機能するタイヤの選択肢を可能な限り提供するというものでした。ライダーのスタイルに関係なくね。今日のトップ4名のライダー達のタイヤチョイスがことなっていたこと、そして6通りの組み合わせのうち5通りが使用されていたことからもこれは明らかでしょう。今日のレースもまたエキサイティングで素晴らしいものでした。マルクにはチャンピオンシップ優勝の祝福を述べると共に、他のライダー達も今シーズンは素晴らしいエキサイトメントを提供してくれました。」

「また同時に私がミシュランで過ごす中で共に過ごした全てのミシュランスタッフ、ライダー達、チームに感謝を述べたいと思います。本当に素晴らしい冒険でしたし、28年間ミシュランで過ごす中で多くの素晴らしい瞬間に立ち会う事が出来ました。今後はMotoGPプロジェクトをピエロとチームに任せます。今後もミシュランのMotoGPプログラムは素晴らしい形で成長していくでしょう。」

<ミシュランタイヤ プレスリリース>