いつその進退についての発表が正式に行われるのかと、ファンとMotoGPパドックをやきもきさせてきたダニ・ペドロサが、遂に今週木曜日(日本時間では夜23時)にその進退についてプレスカンファレンスを行います。

ペドロサの会見は「引退会見」になるのか?

もしこれが今まで噂されていたようにヤマハの新たなサテライトチームへの移籍会見であれば、ペドロサ個人の会見ではなく、まず先にチームの発足に関する会見があった後にペドロサ個人の会見が開かれるのが一般的と考えられるため、ペドロサがザクセンリンクにおいて「個人的に」その将来を明らかにする会見を開くという発表をした際に、「もしかすると引退会見かもしれない」という見方が優勢となりました。

ダニ・ペドロサは1985年9月生まれの32歳で、MotoGPクラスには2006年から参戦しています。今までに数多くの怪我に泣かされ、「あと少し体格が大きければ何度かMotoGPクラスでタイトル獲得をしていただろう」と言われており、今までに125ccクラスで1度、250ccクラスで2度のタイトルを獲得していますが、MotoGPクラスにおいては無冠です。

その将来がどのような方向になるのかは本人の口から語られる言葉を待つしかありませんが、ドイツのSpeedWeekなどは、早くもペドロサはヤマハの新たなサテライトチームのオファーを蹴っており、今週は引退会見になるだろうと報じています。

ヤマハの新たなサテライトチームのライダー候補

さて仮にペドロサが引退するとしても、そのライダーのうちの1人はフランコ・モルビデッリになるであろうと言われていますが、これはMarc VDSの来季の話が深く関わっています。

今年5月のヘレスGPの中で、元チーム代表のミハエル・バルトレミーに会計上の不正(横領)を行ったという疑惑が持たれ(※チームオーナーのマーク・ファン・デル・ストラテンがそういった不正疑惑があると考えているという話がプレス経由でバルトレミーの耳に入った)それが原因によるチーム内紛が発生、最終的にチームはこの疑惑は晴れたとしていますが、結果的にバルトレミーはチームを解雇される形で、バルトレミーへの不正疑惑、また解雇に反発するチームメンバー数名もバルトレミーと共にMarc VDSを去ったと言われています。

そしてこうした事が原因で、2019年にMarc VDSはMotoGPクラスから撤退するという話が出ており、そうなってくると自動的にフランコ・モルビデッリとトーマス・ルティはシートを失うため、2019年にどこかのチームに移籍する必要が出てきます。そしてヤマハの新たなサテライトチームとなるSICレーシングチーム(ペトロナスヤマハ?)は、今後MotoGPクラスに参戦しているアンヘル・ニエト・レーシングチームの参戦枠を取得する形となるため、このままでは来年のチーム数が1つ減り、11チームとなり、参戦するライダーの数も24人から22人に減少するだろうとされています。

そうなると、現在Marc VDSで走る2人に加え、現在アンヘル・ニエト・レーシングチームで走るアルヴァロ・バウティスタ、またアプリリアを今季限りで去るものの行き先が決まっていないスコット・レディング、そして同様にKTMを今季限りで去るブラッドリー・スミスも新たなヤマハのサテライトチームのライダー候補となってきます。またヤマハ関連のライダーということでいうと、今年も鈴鹿8耐に参戦するマイケル・ファン・デル・マークにもその可能性があるのではないかと言われており、さらにフランス人ライダーのファビオ・クアルタラロに関しても可能性があるとされ、ペドロサが既に新たなヤマハのサテライトチームのオファーを蹴っていたとしても、候補となるライダーは簡単に想像出来るだけで7人もいるということになります。(※成績の出ていないカレル・アブラハムのチャンスは限りなく低いでしょう)

いずれにしてもペドロサがその進退に関する発表をなかなか行わなかったこともあり、こうした話が全て停滞していたわけですが、いよいよ明日の23時にペドロサの将来がどうなるのか、またそれに付随してヤマハの新たなサテライトチームの体勢も一気に発表となる可能性があります。リトル・サムライの口から何が語られるのか、心して待ちましょう。

(Photo courtesy of michelin)