ポルティマオで開催されたテストに続いて、ピレリ(Pirelli)はWSBK第10戦の舞台となるアウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェに戻ってきます。今回のレースではピレリ(Pirelli)は新型のSCXタイヤを登場させます。これは既存のSCXに対して従来どおりのソフトさと、ハイパフォーマンスを維持しつつ構造を強化したものです。

ポルティマオではラグナ・セカで開催されなかったスーパースポーツカテゴリーのレースなど、全カテゴリにおいてレースが開催となります。残り4戦の中でチャンピオンシップはすべてのクラスで多くの可能性があります。

ポルティマオ・サーキットとして知られるアウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェは、建築家のRicardo Pinaによって設計され、2008年に建造されました。全長は4,592mで9つの右コーナー、6つの左コーナーを備え、半径23mのコーナーから、207mのコーナーまでを取り揃え、直線は835mです。

アスファルトは古くタイヤは様々な環境化で性能を発揮することが求められます。これはコーナーの径が大きく代わること、そしてブライドコーナーが存在するためです。リアタイヤは温度上昇と下降に対応する必要があり、激しいストレスにさらされます。フロントタイヤは低速コーナー、タイトコーナーに備えハードブレーキに対応することが求められます。

タイヤにとって最も厳しい場所は最終ターンです。このコーナーは350m、6.5秒続くコーナーで、半径が約150mと大きいことからバイクは継続して加速していき、速度は150km/hから250km/hとなり、この時のバンク角は50度となります。タイヤのサイド部分は激しく加熱するため、リアタイヤはしっかりと安定していること、バイクを加速させることが求められつつ、高温に耐える性能が必要です。高速でリーンが深いためタイヤはスピンしやすく、温度が非常に高温になりがちです。

コンパウンドは熱によって痛めつけられ、さらに傷んだアスファルトがタイヤショルダーの摩耗を加速します。コーナー5、8、11、13、14は非常にタイトであるため、ライダーはハードブレーキを行い低速でコーナーに進入します。コーナーの真ん中あたりから加速によってリアタイヤの加速性能が必要となります。加速は約1Gと激しいもので、リーンアングルは約50度に達します。コーナー5、コーナ13ではタイヤ左側が冷えているため注意が必要です。

WSBKクラスとWSSPクラスのタイヤ

ピレリ(Pirelli)はポルティマオに3,482本のタイヤを投入します。これは全クラスのドライ、ウェット、インターミディエイトタイヤとなります。 WSBKクラスは125/70サイズのフロント、200/65サイズのリアタイヤを使用します。ライダーが使用出来るのは合計6種類のスリックタイヤで、フロント2種類、リア4種類となります。

フロントについてピレリ(Pirelli)は125/70サイズのスタンダードSC1のソフトコンパウンド、ミディアムタイヤにデベロップメントSC2 X1071を用意。リアに関しては2種類のレース用ソフトタイヤとなり、スタンダードSC0 200/65サイズ、デベロップメント X1351となります。これはヘレスでデビューし、スタンダードSC0と比較して新しい構造となり、高い性能を発揮します。

レースタイヤとは別に今回新しくなるのは新型のSCXです。Y0781は強化された構造を持ちつつも、極めてソフトなコンパウンドのプレクオリファイタータイヤです。予選にはスーパーポール用のX0684タイヤが使用されます。

WSSPクラスでは2種類のフロント、2種類のリアタイヤが使用可能。フロントは前回ラウンド同様にスタンダードSC1、SC2が用意され、リアに関してはスタンダードSC0の180/60サイズ、さらにデベロップメントSC0 Y0410タイヤ 190/60サイズのものが使用可能です。

(Source: Pirelli)

(Photo courtesy of Pirelli)