MotoGPチャンピオンシップで全てのMotoGPライダー達と密接に仕事をしているブレンボのテクニシャン達によると、 バレンシア・サーキットは中程度にブレーキへの要求が厳しいサーキットで、難易度指数1〜5段階では3に該当し、スペインの4つのトラックのうちでは最もブレーキ難易度が低いトラックだ。
全長はわずか4,005mで、今年のカレンダーで最も短いトラックとなる。レイアウトは反時計周りで、左コーナーが9、右コーナーが5つ。他のサーキットと大きく異なるのは、チームとライダーは昨年同時期に開催されたレースのデータを持っていることだ。
MotoGPにおけるブレンボのブレーキパッド
MotoGPで使用されるMotoGPバイクのブレーキパッド摩擦材はカーボンだ。カーボンは比類なき摩擦係数とコンスタントなパフォーマンスを発揮し、適切な温度で使用されるとフェードを発生させることなく、パワフルで安定したブレーキングを実現する。
市販バイクのブレーキと比較すると、MotoGPバイクが使用するブレーキパッドは重量、寿命、対応温度などが大きく異なっている。MotoGPで使用されるブレンボのブレーキパッドは、1つあたりわずか50gしかなく、これは市販車の半分以下の重量だ。寿命は長くても900kmを超えず、最高温度は800℃に達する。
ヨーロッパGPでのブレーキングについて
876mのストレートを除けば、このトラックは狭くテクニカルで低速ギアが活躍する。ブレーキングポイントのうち6つにおけるスピードは100km/hを下回り、バイクは周回ごとにブレーキを9回使用する。そしてブレーキングポイントのうち5つは左コーナー、4つは右コーナーとなる。
1周の中で、ブレーキが使用されるのは合計29秒間で、これはカタルーニャGPと同様だ。なお、アラゴン、ヘレスは33秒となる。制動距離が150mを超えるのは2箇所だけで、それ以外のブレーキング区間では制動距離は90mにも満たない。
ヨーロッパGPで最もブレーキに厳しいセクション
9つのブレーキングセクションのうち、1つがブレーキングシステムにタフとされており、5つは中程度、残りの3つは比較的ブレーキには優しいブレーキングセクションだ。
最もブレーキにタフなのはホームストレートの後のターン1のブレーキだ。ここはサーキットで唯一バイクの速度が300km/hを超える部分。プロトタイプバイクの場合、324km/hから129km/hに4.2秒間で減速が必要で、制動距離は251mとなる。ライダー達はブレーキレバーに5.6kgの力を入力し、減速Gは1.5Gに達する。なお、ブレーキフルードにかかる圧力は12.1barとなる。
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(Source: Brembo)
(Photo courtesy of Brembo)