ブレンボが分析する 2020年MotoGPポルトガルグランプリ

MotoGPチャンピオンシップで全てのMotoGPライダー達と密接に仕事をしているブレンボのテクニシャン達によると、 アルガヴェ・インターナショナルホテルサーキットはブレーキへの要求はさほどないサーキットで、難易度指数1〜5段階では2に該当し、2020年のカレンダーの中で最もブレーキへの攻撃性が少ないトラックだ。

このサーキットでは登り下りが連続するためにライダーがスロットルを調整するのが難しいトラックだ。ダウンヒルでブレーキングが遅くなる可能性、登り坂でブレーキングが早くなりすぎる可能性もあり、最大下り勾配は12%で登り勾配は6%となる。さらに左右の勾配に関しては最大で8%となっている。

MotoGPで使用されるブレンボのカーボン

過去3年に渡り、ブレンボはカーボンブレーキにとって当たり前だったタブーを破ることに成功している。今までカーボンは500ccの時代からブレーキ素材に使用されてきたが、雨の時は例外だった。カーボンは適切な効力を発揮するためには、最低でも250℃である必要があり、近年までウェットコンディションでの使用は難しいものだった。

しかし近年ブレンボが開発したカーボンは、使用可能温度域が広がっている。エンジンとタイヤの進化がブレーキディスクの温度を上げていることもあるが、今まで使用されてきたスチールディスクは使用されなくなっている。

ポルトガルGPにおけるブレーキ

ポルトガルのトラックで、MotoGPライダー達は15箇所のコーナーのうち、9箇所でブレーキを使用する。これは8月に開催されたFIM スーパーバイク世界選手権(SBK)よりも1箇所少なくなっており、MotoGPバイクは1周ごとに30秒ブレーキを使用し、スーパーバイクは31.5秒使用する。

ブレーキングの中で5箇所では速度が100km/h以下となり、このような箇所でブレーキは3.2秒間使用される。数カ所のブレーキングを除いて、減速Gが1Gを超えることはない。これによってスタートからチェッカーフラッグまで、レバーに入力される力が650kgを超えることはない。

ポルトガルGPで最も過酷なブレーキングセクション

9箇所のブレーキングセクションで、最もブレーキに過酷なのは1箇所、平均的と言える箇所が1、残りの7箇所はさほどブレーキングの難易度は高くない。

最も厳しいのはスタートフィニッシュラインがある969mのストレートの後のブレーキングだ。ここではMotoGPバイクは325km/hを超え、4.8秒間で119km/hまで282mで速度を落とす。そのために、ライダー達は4.3kgの力をブレーキレバーに入力。減速Gは1.5Gに達する。ブレーキフルードの圧力は9.2barに達することとなる。


(Source: Brembo)

(Photo courtesy of Brembo)