長い夏休みの後、MotoGPはレッドブルリンクに戻ってきました。すべてのMotoGP世界選手権ライダーと密接に連携しているbrembo(ブレンボ)の技術者によると、レッドブルリンクは、ブレーキにとって要求度の高いサーキットで、難易度は5段階評価で5となっています。

このトラックよりもラップタイムが短いサーキットはザクセンリンクのみとなりますが、ザクセンリンクは500mほど短いトラックで、ブレーキもあまり使用しません。レッドブルリンクの場合、ロングストレートが多いことから非常に高速で走行が行われ、ほとんどのコーナーがタイトなコーナーとなっています。
ブレンボが分析する 2021年MotoGP スティリアグランプリ[adchord]​

brembo(ブレンボ)キャリパーは最軽量、効果的な冷却性能を発揮

​​MotoGP専用のbrembo(ブレンボ)ラジアルマウント4ポッドキャリパーは、アルミニウム・リチウム合金を削り出して作られています。鋳物と比べると削り出しの製品は、より優れた機械的特性と耐熱性を備えています。

キャリパー自体にフィンがあることもそうですが、スプリングを用いたシステムを使うことで、ブレーキパッドの引きずりを低減する仕組みが備わっており、さらにブレーキを行う際に、油圧の力に加えてブレーキング効力をさらに高める仕組みが備わっています。

MotoGPテクノロジーを公道で

brembo(ブレンボ)がブレーキシステムを世界グランプリの世界で使用し始めた1970代以来、brembo(ブレンボ)は新たな技術開発を進めてきました。そしてその技術的信頼性が明らかになった以降は、大量生産され公道でも使用可能となりました。brembo(ブレンボ)の高性能なブレーキキャリパーは比類なき性能を発揮し、brembo(ブレンボ)のトラックでの経験をダイレクトに公道フィードバックしているのです。

brembo(ブレンボ)のGP4-RSキャリパーはMotoGPで使用されているモノブロックキャリパーにインスパイアされたものです。これはトラック走行を楽しむユーザー向けに生まれた製品で、軽量、高い強度、放熱性、デザインとパフォーマンスを実現しています。
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F1よりも17秒長いブレーキングタイム

F1同様に、MotoGPは10のコーナーのうち7つでブレーキを使用します。しかしMotoGPの場合、制動距離として200m以上必要なところ、F1の場合、制動距離が150mを超えることはありません。コーナー9の場合、F1は68km/hしか減速しませんが、MotoGPの場合、その2倍以上減速する必要があります。
ブレンボが分析する 2021年MotoGP スティリアグランプリ
1周の中でMotoGPの場合27秒間ブレーキを使用、これはレースタイムの32%に相当します。最初の4つのコーナーではブレーキは15秒ほど使用されますが、F1の場合、同じコーナーでの制動時間は7秒未満で、1周で考えてもブレーキを使用するのは10秒間です。

ターン1は最もブレーキングに厳しい箇所

レッドブルリンクの7箇所のブレーキングポイントのうち、4つがブレーキにとってハードな箇所となり、3つが中程度となります。F1の場合、4つのブレーキングポイントは、ブレーキにとって軽度のブレーキングポイントとなります。

MotoGPにとって最も厳しいブレーキングポイントはターン1で、ライダー達は303km/hから100km/hに、僅か4.2秒間で減速。ブレーキレバーにかかる力は6kgに達し、ブレーキフルードにかかる力は12.8barです。制動距離は221mで、ライダーが体感する減速Gは1.5Gとなります。

(Source: Brembo)

(Photo courtesy of Brembo)