ホンダのFIM スーパーバイク世界選手権(SBK)ファクトリーライダーとして参戦するイケル・レクオナ。KTMからMotoGPに2年間参戦したが、バイクの戦闘力の問題、KTMがライダー達に性急に結果を求めすぎたこともあってのライダー交代などもあって、僅か2年間でMotoGP参戦を終了した。FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)では着実に結果を積み重ねてきており、上位を走行する姿を見る機会が増えている。まだ22歳と若いレクオナだけに、充実した環境での成長に期待したい。
学習してトップ争いが出来ると思っていた
イケル・レクオナ
「MotoGPにデビューした当初は、MotoGPクラスで走る準備が出来ていない状況でしたね。しかし、あの時点でKTMがチャンスをくれたのでチャンスを掴んだんです。でもKTMが時間を与えてくれれば、学習してトップ争いが出来ると思っていました。MotoGPライダーとして走るには時間が必要ですが、そのために時間があまりなかったと思います。」
「KTMではテスト中に多くのパーツをテストしましたが、レースにはいつも間に合わない状況でした。ファクトリーライダーが優先されて、彼らのバイクに常に近づこうとしている状況でした。自分が操縦していたバイクはアップダウンが激しくて悔しい思いをしました。」
「エンジニアはファクトリーからサポートされていましたが、ファクトリーライダーのような感覚でレースは出来ませんでした。今はHRCでファクトリーライダーとして新しい姿勢で仕事をしています。新しいサスペンションが提供されれば、それを使うことが出来ますし、こういうことはいいですよね。」
「ホンダではファクトリーとしてのゴールや目的は明確ですが、今のホンダのバイクのレベルは皆が理解するところですから、7位でも良い結果ですし、5位なら最高。表彰台は優勝みたいな状況なんです。」
「KTMではダニーロ・ペトルッチとはシートを争っていたので、1年間ずっとフラストレーションを感じてほとんど話をしませんでした。しかしダニーロも自分もシートが無いことが明らかになると、話をするようになり、彼がホントにいい人間だとわかったんです。」
「KTMが自分達にした仕打ちは酷いものだと今でも思います。Moto2ライダーだったレミー、ラウルに対してもそうですけどね。ラウルもMotoGPにKTMで参戦するのは嫌だと言っていました。しかし今は自分はホンダのファクトリーライダーとしてWSBKを戦っていますから、KTMのことは気にもとめていません。」
「ホンダは成長のために時間を使わせてくれています。落ち着いてリラックスして挑むことが出来るんです。優勝がしたくてイラつくことはありますけど、時間が必要だということもわかっています。」
(Photo courtesy of HRC, michelin)