Honda HRCは2025年のスーパーバイク世界選手権(WorldSBK)シーズンに向けた公式発表を行い、ライダーのシャビ・ビエルゲとイケル・レクオナ、そしてチームマネージャーのホセ・エスカメスが今季の目標と戦略について語った。

2月10日、Honda HRCはオンラインで公式発表会開催し、2025年仕様のCBR1000RR-Rを披露。マシンには新スポンサーとしてIxonのロゴが加わり、また新たな技術パートナーとしてÖhlinsがチームを支援する。さらに、Motul、Akrapovič、Nissin、One Heart – Satu Hati、ASICS、Bonamici Racing、NGK、RK、Shindengen、STM、Pirelliといったパートナーとの協力関係も継続される。 発表会では、ビエルゲとレクオナが今シーズンの目標について言及し、チームマネージャーのエスカメスが、チームの戦略や期待について語った。

2025年シーズンに向けた準備

Honda HRCは2024年シーズンの成果を基にさらなる進化を目指す。日本のエンジニア陣は、セットアップ、電子制御、サスペンションなどの各分野で改良を実施。この新たなアップデートは、スペインのヘレス・サーキットとポルトガルのアルガルヴェ・サーキットでのテストを通じて確認された。 チームは2月17〜18日にオーストラリアのフィリップアイランドで最終プレシーズンテストを行い、2月21〜23日に開幕戦(同地開催)へと挑む。

シャビ・ビエルヘ

「これまで多くのことを学んできましたが、一番重要なのは焦らず、一歩ずつ着実に進むことが大切だと理解したことです。2025年の最初の目標は、昨シーズン終盤のレベルを維持した状態で開幕を迎えること。安定したベースを築き、シーズン終盤にはフロント争いができていたので、まずはしっかりとプレシーズンを仕上げ、開幕からトップ勢に迫ることが鍵となります。」

「チームの体制が少し変わりましたが、最初の印象はとても良いです。彼は経験豊富なので、僕も多くを学び、それを活かしたいと考えています。この変化が大きな前進につながることを期待しています。」

「昨年後半の結果には満足しています。今年はÖhlinsのサスペンションを導入するため、新たなベース作りが必要です。また、ドライブ性能と加速面に課題があるので、そこを改善し、エンジンのポテンシャルを最大限に引き出したいです。」

「イケル・レクオナとスタイルは違いますが、基本のセットアップはそれほど変わりません。彼が得意な部分もあれば、僕の方が得意な部分もあるので、お互いに学び合い、切磋琢磨できるのは大きな利点です。」

イケル・レクオナ

「昨年はヘレスで負傷し、年始にも小さなケガをしましたが、開幕までには100%、少なくとも95%の状態には仕上げられると思います。戦う準備はできています。」

「昨年学んだことですが、あまり具体的な期待を持ちすぎない方が良いです。まずはテストをこなし、開幕戦ではセッションごとに集中して進めていきます。フィリップアイランドは大好きですが、過去にあまり運が良くなかったので、良い状態で臨み、状況に応じて対応していきたいです。」

「昨年はメンタル面で苦しみました。もちろんフィジカルも大事ですが、メンタルがしっかりしていれば、たとえケガをしていても戦えます。逆に精神的に弱ると、すべてが難しくなります。今年は強い気持ちでスタートしたいです。」

「よく言われるのは、すぐにバイクの限界を把握できること。テストで何百周もする必要はなく、4〜5周でバイクの良し悪しを判断できます。ただ、それが逆に課題にもなり得ます。なぜなら、限界に到達すると、そこからの改善が難しくなるからです。昨年はそれを意識し、自分のライディングスタイルを冷静に分析することを学びました。」

「昨年の序盤は新しいバイク、新しいクルーチーフ、そしてケガと厳しい状況でした。でも、夏以降にリセットし、以前のベースを新しいバイクに適用したところ、結果が出始めました。表彰台(13位スタートから3位)は最高でしたね。今年はその勢いを維持することが目標です。」

(Photo courtesy of HRC)