2025年8月22日、MotoGP世界選手権は新設バラトン・パークで歴史的な初セッションを迎えた。FP1を制したのはチャンピオンシップリーダーのマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)。終盤に唯一1分37秒台へ突入し、2番手に0.3秒近い差をつける圧倒的な速さを見せた。

赤旗中断の波乱スタート

開始15分でセッションは赤旗中断。原因はアプリリア勢の連続トラブルだった。まずホルヘ・マルティン(アプリリア・レーシング)のマシンがメインストレートで白煙を吹き、その直後にはラウル・フェルナンデス(トラックハウスMotoGPチーム)がターン5で煙とオイル漏れ、さらに小規模な発火を起こした。残り時間30分31秒での赤旗はマーシャルが路面を処理する時間となり、ライダーたちにとっても一息つく機会となった。

再開後はマルク・マルケスの独壇場

赤旗明けからはマルク・マルケスが一気に主役となった。走り出しから水を得た魚のように新コースに順応し、ラスト3分で1分37秒台を記録。バラトン・パーク初走行ながら、王者らしい適応力と安定感を見せつけた。

2番手にはマーべリック・ビニャーレスの代役参戦のポル・エスパルガロ(レッドブルKTMテック3)が飛び込んだ。かつてこのサーキットでテスト経験があることも功を奏し、終盤のアタックで一気に上位へ。3番手はペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、4番手には新シャーシを投入したルカ・マリーニ(ホンダHRCカストロール)、5番手はアレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)が続いた。

アプリリアは波乱、モルビデリが転倒2回

アプリリア勢最上位はマルコ・ベッツェッキ(アプリリア・レーシング)の6番手。7番手はフランコ・モルビデリ(VR46レーシング)、ただしこの新サーキットで2度の転倒を喫する苦しい内容となった。8番手にはエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)、9番手にフェルミン・アルデゲル(BK8グレシーニ)、10番手は再び走り出したマルティンが食い込んだ。終盤にはジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハ)がターン12で転倒する場面もあったが、13番手でセッションを終えている。

ハンガリーGP FP1 結果

順位ゼッケンライダー名メーカータイム最高速度
1位93マルク・マルケスDUCATI1'37.956306.8km/h
2位44ポル・エスパルガロGASGAS1'38.233305km/h
3位37ペドロ・アコスタKTM1'38.526302.5km/h
4位10ルカ・マリーニHONDA1'38.660302.5km/h
5位73アレックス・マルケスDUCATI1'38.683301.6km/h
6位72マルコ・ベッツェッキAPRILIA1'38.731302.5km/h
7位21フランコ・モルビデッリDUCATI1'38.794297.5km/h
8位23エネア・バスティアニーニKTM1'38.848303.3km/h
9位5フェルミン・アルデゲルDUCATI1'38.848300.8km/h
10位1ホルヘ・マルティンAPRILIA1'38.995303.3km/h
11位20ファビオ・クアルタラロYAMAHA1'39.013299.1km/h
12位49ファビオ・ディ・ジャンアントニオDUCATI1'39.092300km/h
13位43ジャック・ミラーYAMAHA1'39.248301.6km/h
14位5ヨハン・ザルコHONDA1'39.306299.1km/h
15位63フランチェスコ・バニャイアDUCATI1'39.339305km/h
16位25ラウル・フェルナンデスAPRILIA1'39.409300km/h
17位79小椋 藍APRILIA1'39.581300km/h
18位88ミゲル・オリヴェイラYAMAHA1'39.624303.3km/h
19位36ジョアン・ミルHONDA1'39.670301.6km/h
20位42アレックス・リンスYAMAHA1'39.887299.1km/h
21位33ブラッド・ビンダーKTM1'40.166301.6km/h