スウェーデンのサスペンションブランドとして知られるオーリンズ(Öhlins)が、新しいロゴとブランドシンボルを含むビジュアル・アイデンティティの刷新を発表した。これは、今年1月にブレンボ傘下となって以降進められてきたブランド再構築戦略の一環であり、50年にわたって築いてきたレーシング由来の名声を継承しながら、新たな時代に向けた一歩を踏み出した形だ。

視覚表現の進化:デジタル時代への最適化
新ロゴは、従来の象徴的な「Ö」のウムラウト(二点記号)を排除しつつ、スカンジナビアン・デザインの洗練とテクノロジー志向のエッジ感を融合させたミニマルなデザインに刷新。懐かしさを残すカレッジ風のフォントの角度は維持しつつも、現代的でより汎用性の高い形状にアップデートされた。ブランドカラーであるイエローは引き続き基調に使われ、ブラック、ホワイト、ブルー、ライトグレーとの調和によって全体のトーンが再構築されている。
新たに導入されたブランドシンボルは、伝統的な「Ö」を再解釈したもので、上下の矢印が交差してひとつのダイヤモンド形状を形成している。これは革新性・拡張性・精密性を表現しており、モータースポーツを中心としたブランド精神を未来に向けて再定義する象徴となっている。
サスペンションのその先へ ─ スマート技術と統合型ソリューションの展開
ブレンボグループとの統合により、オーリンズはこれまでのモータースポーツ中心の製品展開から、より広範で多様なハイパフォーマンス市場への進出を目指す。既存のOEM・アフターマーケット・レース用途の製品群に加え、今後はスマートアダプティブサスペンションやシステム統合型ソリューションといった技術革新に基づく新しい分野にも踏み込んでいく方針だ。
この戦略は四輪と二輪の両市場において、単なる性能追求にとどまらず、安全性・快適性・コントロール性の強化も重視するもので、レーシングDNAをルーツに持ちながら、日常のハイパフォーマンスを志向する新たなユーザー層との接点を生み出していく。
オーリンズ グループ マネージングディレクター マーク・スペルテーン
「オーリンズはこの50年間、レース界での卓越性と先端サスペンション技術の代名詞としてブランドを築いてきました。しかし、我々の視覚的アイデンティティは、その技術進化に追いついていなかったのも事実です。今回の刷新によって、未来に向けたブランドの立ち位置がより明確になり、革新と前進の精神が体現されました。これは新たなファンとの繋がりや、既存ユーザーへのさらなるインスピレーションにもつながると確信しています。」
ブレンボ グループ CEO ダニエレ・シラチ
「今回のリブランディングは、オーリンズの未来にとって重要な節目であり、当社のブランド戦略と密接に連動しています。モータースポーツへの共通の情熱を原動力に、我々は先進技術を融合させたインテリジェントなソリューションの提供を通じて、世界中のライダーやドライバーに新たな刺激を与えたいと考えています。」
中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近はまた乾式クラッチのDucatiに乗りたいと思っています。