タイトル争いのリーダーであるマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)が、1分28秒117のレコードを叩き出し、レッドブル・KTMファクトリー・レーシングのペドロ・アコスタを0.228秒差で抑えて金曜首位を獲得。3番手にはフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が入り、初日から強豪陣が火花を散らす展開となった。

序盤の展開
現世界王者ホルヘ・マルティン(アプリリア・レーシング)は、ターン9で転倒し波乱の幕開け。幸い身体に異常はなかったが、ファーストマシンのRS-GPは使用不能となった。その一方で、バニャイアがルカ・マリーニ(ホンダHRCカストロール)を抑えてトップを走行し、マルク・マルケスとファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)も上位をキープしていた。
チェコGPで2戦連続表彰台を獲得したアコスタが一時トップに浮上したが、直後に赤旗中断。これは、ジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)のマシンから煙が上がり、路面に液体が漏れた可能性がある中、ターン6でクアルタラロが転倒。さらにチームメイトのミゲル・オリベイラも同じ場所でクラッシュし、マーシャルによる清掃作業と安全確認が行われた。
トップ10争いの変動
残り17分、ルーキーの小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)が1分28秒877をマークしトップに躍り出る。その後、ヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)とフランコ・モルビデリ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング)が首位争いに加わった。
終盤、アコスタが再び首位を奪取し、バニャイア、マルク・マルケスが続く展開に。ジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)が4番手に入り、ザルコが5番手。残り2分、アレックス・マルケスが3番手に飛び込みマルクを4番手に押し下げたが、直後にマルク・マルケスが再びアタックを敢行。1分28秒117という圧巻の新記録を叩き出し、他を寄せ付けない形で初日を締めくくった。
オーストリアGP プラクティス結果
順位 | ゼッケン | ライダー名 | メーカー | タイム | 最高速度 |
1位 | 93 | マルク・マルケス | DUCATI | 1'28.117 | 310.3km/h |
2位 | 37 | ペドロ・アコスタ | KTM | 1'28.345 | 315.7km/h |
3位 | 63 | フランチェスコ・バニャイア | DUCATI | 1'28.385 | 311.6km/h |
4位 | 73 | アレックス・マルケス | DUCATI | 1'28.435 | 309km/h |
5位 | 25 | ラウル・フェルナンデス | APRILIA | 1'28.519 | 309km/h |
6位 | 36 | ジョアン・ミル | HONDA | 1'28.694 | 313km/h |
7位 | 21 | フランコ・モルビデッリ | DUCATI | 1'28.696 | 310.3km/h |
8位 | 5 | ヨハン・ザルコ | HONDA | 1'28.765 | 313km/h |
9位 | 54 | フェルミン・アルデゲル | DUCATI | 1'28.769 | 310.3km/h |
10位 | 33 | ブラッド・ビンダー | KTM | 1'28.845 | 315.7km/h |
11位 | 23 | エネア・バスティアニーニ | KTM | 1'28.866 | 314.4km/h |
12位 | 79 | 小椋 藍 | APRILIA | 1'28.877 | 311.6km/h |
13位 | 10 | ルカ・マリーニ | HONDA | 1'28.938 | 314.4km/h |
14位 | 20 | ファビオ・クアルタラロ | YAMAHA | 1'29.015 | 309km/h |
15位 | 49 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | DUCATI | 1'29.058 | 314.4km/h |
16位 | 1 | ホルヘ・マルティン | APRILIA | 1'29.066 | 315.7km/h |
17位 | 42 | アレックス・リンス | YAMAHA | 1'29.160 | 313km/h |
18位 | 72 | マルコ・ベッツェッキ | APRILIA | 1'29.469 | 314.4km/h |
19位 | 88 | ミゲル・オリヴェイラ | YAMAHA | 1'29.633 | 311.6km/h |
20位 | 43 | ジャック・ミラー | YAMAHA | 1'29.787 | 313km/h |
21位 | 12 | マーべリック・ビニャーレス | KTM | 1'30.800 | 307.6km/h |