ドゥカティ 新型モンスター第5世代の量産開始 – 軽量・高性能・現代的な進化を遂げた伝説のネイキッド

ドゥカティは2025年11月26日、ボローニャのボルゴ・パニガーレ工場にて、第5世代となる新型「モンスター」の量産を開始した。1992年に誕生し、”必要なものだけを、過不足なく”という哲学でネイキッドバイクの代名詞となったモンスターは、30年以上にわたり世界中のライダーたちに支持されてきた。今回の新型は完全に再設計され、モンスター伝統のスタイルを現代的に再解釈。ビゾンバック型タンクの“肩”に包まれたヘッドライト、ワンピースシート、軽量なショートテールといった象徴的デザインが復活している。

技術革新と軽量化

新型モンスターは、エンジンを車体構造の一部として使用するモノコックフレーム構造を採用。パニガーレV4に着想を得たダブルスイングアームと、テクノポリマーとトレリス構造のリアサブフレームを組み合わせることで、従来モデルより4kgの軽量化(乾燥重量175kg)に成功。これは4バルブモデルの中で最軽量となる。搭載される新型V2エンジンは可変吸気タイミング(IVT)を備え、低回転域の滑らかさ、中回転の力強さ、高回転でのパワーを両立。最大トルクの80%を4000~10000rpmの広い範囲で発生する。加えて、バルブクリアランスの点検間隔はクラス最高水準の45,000kmとなり、ランニングコストも大幅に抑えられている。

操作性と快適性を両立した現代的パッケージ

新型モンスターは、日常使いからワインディングまで対応する二面性を持つ。ショーワ製サスペンションが快適性とスポーツ性を両立させ、操縦性の高さと安定性を両立。ライディングポジションも見直され、前モデルよりシート高を低く(815mm、専用キットで775mmまで調整可能)しつつ、ハンドルは高くかつ前方に配置され、よりリラックスした操作性を実現している。

電子制御面では、4つのライディングモード(スポーツ、ロード、アーバン、ウェット)を搭載し、DTC(トラクションコントロール)、DWC(ウィリーコントロール)、EBC(エンジンブレーキコントロール)、コーナリングABSを標準装備。5インチTFTディスプレイは、昼夜モードや情報表示モードを切り替え可能で、視認性にも優れる。Ducati Multimedia Systemおよびターンバイターンナビにも対応。

カスタマイズとバリエーション

ドゥカティ・パフォーマンスは、カーボンファイバーや削り出しアルミのアクセサリー、アルカンターラ製スポーツシートなどのカスタマイズパーツを多数用意。テルミニョーニと共同開発されたチタン製スリーブ+カーボンエンドキャップ付き公道対応サイレンサーは、0.2kgの軽量化を実現しながら、モンスターらしい官能的なサウンドと外観を強調する。

2026年2月より、イギリス市場を皮切りに販売開始。カラーはドゥカティ・レッドとアイスバーグ・ホワイトの2色展開。ウインドシールドとパッセンジャーシートカバーが標準装備された「Monster+」バージョンも用意され、どちらもA2ライセンス向けの35kW仕様がラインナップされる。