ピレリ(Pirelli)は前例の無いほどの性能を発揮するSCXタイヤをカルフォルニアのサーキットに投入。スーパーポールにおいて使用可能な新しいスーパーソフトタイヤも投入。

ドニントン・パークは世界チャンピオンシップのジョナサン・レイのハットトリックで幕を下ろしました。これでレイはアルヴァロ・バウティスタを抜いてチャンピオンシップ首位となっています。

WSBKは大西洋を超えてアメリカのカルフォルニアに渡り、ラグナ・セカにおいて、夏休み前最後のラウンドとなる第9戦を迎えます。今回のラウンドではアルヴァロ・バウティスタとジョナサン・レイに多くの注目が集まります。

バウティスタはシーズン前半を圧倒しますが、過去3戦での転倒により積み上げてきたリードを失っています。一方のレイは優勝はなかったものの、ほぼ全てのレースで表彰台を獲得しており、バウティスタがトラブルに見舞われると、優勝を勝ち取りました。

ドニントン・パークで新たにチャンピオンシップリーダーとなったレイはラグナ・セカにおいて24ポイントのリードを保ってレースに挑みます。バウティスタは2013年以降ラグナ・セカで走行しておらず、且つDucatiパニガーレV4Rでの走行経験はゼロです。

この重要なイベントにピレリ(Pirelli)は新しいタイヤを2種類投入。1つは新しい予選用タイヤで、ライダー達は土曜日の予選の中でこのタイヤの使用が可能です。このタイヤは過去使用可能だった予選用タイヤよりも優れたグリップを発揮するものです。

2つ目のタイヤはSCXプレクオリファイアータイヤです。これは今年予選用タイヤとしてスーパーポールの中で、予選用タイヤ使用前に使用出来るタイヤとして投入されましたが、10周のスーパーポールレース、通常のレースにおいても多くのライダーに好評でした。

新しいSCXソリューションはY0448のスペックを持ち、今まで投入されてきたSCXソリューションよりも優れたグリップを発揮するものです。

ラグナ・セカは海抜250mのサーキットで、カルフォルニアのモントレー近くに位置しており、自然の地形を活かしたサーキットです。アップダウン、高速セクション、低速セクションに富み、ユニークなサーキットになっています。

建造は1957年。しかし1988年、2005年、2006年にいくつかの変更が施されています。この改修によってエスケープ部分の拡大、縁石の交換、メインストレートの拡大、そして安全性の観点からセーフティーエリアの拡大も施されています。

現在の全長は3,610m、左コーナが7、右コーナーが4、コース幅は15m、最長のストレートは453mです。海から遠くない丘の上に位置するサーキットであり、そのため路面温度は午前と午後で大きく異なります。丘の頂点に位置するコークスクリューでは、ライダー達はおよそ80km/hのスピードで通過します。路面キャンバー、バイクの向きが大きく変わることから、フロントタイヤには大きなストレスが発生します。また荷重の移り変わりが大きいことから、リアタイヤのグリップに影響を及ぼします。

WSBKクラスのタイヤ

アメリカで開催されるラグナ・セカ ラウンドに、ピレリ(Pirelli)は全クラス合計で1180本のタイヤを投入。今回はWSBKクラスのレースのみとなるため、ヨーロッパラウンドと比較すると、その本数は少なくなっています。いつもどおり、この本数にはスリック、インターミディエイト、レイン用タイヤが含まれています。

ビッグサイズの125/70のフロントと200/65のリアタイヤが今回も使用され、ライダー達が使用可能なスリックタイヤの種類は6種類。フロントが2、リアが4です。

フロントにはスタンダードSC1 125/70サイズ ソフトコンパウンドのもの、デベロップメントSC2 X1071ミディアムを選択することが出来ます。リアに関してはスタンダードSC0の200/65サイズ、デベロップメントY0446を使用可能。これは200/65サイズのスタンダードSC0と同様の構造を持ちながら、より高いアスファルト温度に最適なコンパウンドとなります。

しかし今回注目すべきは新しい予選タイヤ、プレクオリファイアータイヤです。新しいSCXのY0448スペック、新しいY0449スペックのスーパーポールタイヤは、今までチャンピオンシップにおいて使用されたことがない新しいタイヤとなります。

(Source: Pirelli)

(Photo courtesy of Pirelli)