ブレンボが分析する2019年MotoGPサンマリノグランプリ

ブレンボが分析する2019年MotoGPサンマリノグランプリ

最高峰クラスにおけるミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリでのブレーキングシステム

カレンダー残り3分の1がサンマリノにあるミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで始まります。リミニから約20km、アドリア海から約2kmという位置にあるサーキットは、2012年に8年前に命を落としたイタリア人ライダーの名前をとって命名されました。ミサノスピードウェイは1969年設計され、現在の4,226mのデザインが2008年に固まるまでに何度も変更を加えられています。

ワールド・スーパーバイクにおいてもこのトラックは使用されていますが、ブレーキの使用状況は大きく異なります。最も大きな違いはターン11です。MotoGPは約50km/h速度を落とすためにブレーキを1.3秒間ほど操作するのが必要なのに対し、スーパーバイクはフルスロットルで走行することが可能です。

スーパーバイクでは禁止されているカーボンブレーキを使用していることから、当然MotoGPバイクのほうが制動距離は短く、そのためMotoGPライダー達はブレーキを使用するたびに、より多くの減速Gを受けることになります。

風が強いことから、バイクのトップスピードは300km/hに届きません。しかし90km/hまで速度を落とす必要があるコーナーが5つありますので、減速度合いは非常に大きいと言えます。別の問題としては熱による冷却に関するもので、2016年は路面温度は42.7℃となっています。

MotoGPの全ライダー(最高峰クラスではブレンボの供給率は100%)に技術協力しているブレンボの技術者らによると、ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリはブレーキへの要求が比較的大きいサーキットです。難易度指数は1〜5のうち3で、今シーズン残りのレースの中では、ブリーラム、バレンシアなどと同様です。

レース中にブレーキに求められること

サーキットには16のコーナーと11のブレーキングポイントがありますが、それぞれ大きく異なっています。ライダーが4秒半ブレーキング操作が必要な箇所は1箇所で、その他の箇所では1秒、3秒ほどのブレーキングが必要です。1周全体ではMotoGPバイクはブレーキを28秒間使用しますが、これはスーパーバイクと全く同じ数値です。27周のレースの中で、MotoGPライダー達はブレーキを12分半操作します。

ライダーがスタートからゴールまで、ブレンボブレーキレバーにかける力を合計すると、約1,050kgとなり、21周で争われるSBKの834kgとの差は顕著です。MotoGPライダー達は1週でブレーキレバーに39.7kgの力を加えますが、これはWSBKの39.2kgを上回ります。このサーキットにおけるMotoGPバイクの平均減速度は1.19Gで、スーパーバイクのそれは1.08Gとなります。
 

最も過酷なブレーキングポイント

11のブレーキングポイントの中で、3つがブレーキへの要求が高く、2つは中程度、残りの6つは難易度が低めとなります。スーパーバイクと異なり、ターン8はトラックの中で最もチャレンジングなポイントです。MotoGPバイクは294km/hから減速し、4.5秒間、213mで82km/hまで減速します。スーパーバイクはMotoGPバイクより24km/h遅く進入しますが、制動距離も5m短くなっています。

このコーナーでは、MotoGPバイクはスーパーバイクを減速Gでも上回り、MotoGPは1.5Gのところスーパーバイクは1.3Gとなります。しかしブレンボのHTC 64Tブレーキフルードの圧力はMotoGPで10.5barですが、スーパーバイクでは10.7barなのです。ターン1のブレーキングは190mに渡るもので、276km/hから158km/h減速し、118km/hまでブレーキングを行います。スーパーバイクでは146km/h減速しますが、ブレーキディスクがスチールであることから制動距離は伸びて192mとなります。
 

ブレンボの優勝数

世界選手権が2007年から開催されるようになって以降、優勝車両には常にブレンボのブレーキが装着されています。バレンティーノ・ロッシとホルへ・ロレンソが3度ずつ優勝しており、ダニ・ペドロサ、マルク・マルケスが2回。昨年Ducatiではアンドレア・ドヴィツィオーゾが初優勝をしています。マーべリック・ビニャーレスは下位クラスを含めて、ここでの優勝経験はありません。

(Source: Brembo)

(Photo courtesy of Brembo)

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