ブレンボが分析する 2020年FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)ポルティマオ戦

17名のFIM スーパーバイク世界選手権(SBK)ライダー達と密接に作業をしているブレンボの技術者たちによると、アウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェは、ブレーキには中程度の9度のサーキットといえます。難易度指数1〜5段階では3に該当し、ミサノと同程度となります。

継続的に加速と減速が繰り返されるシチュエーションですので、ライダーにとってはスロットルをオフにする時間がなく、ダウンヒルブレーキングでブレーキングが遅れるリスク、上り坂で早めにブレーキングを開始してしまうリスクがあります。下り方面の最大斜度は12%、上り方面の最大斜度は6%です。いくつかのポイントでは8%の勾配が存在します。

ブレンボブレーキキャリパーの進化

FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)が1988年にスタートしてから、ブレンボキャリパーは主要チームのファーストチョイスのブレーキでした。最初期は4本のネジで結合されたツーピースからなるキャリパーを使用していました。

剛性の限界、アルミニウムの膨張率の違いなどから、1990年代にはブレンボはモノブロックキャリパーを生み出しました。数年後ブレンボは、ラジアルマウントのモノブロックキャリパーを紹介しています。

こちらの方が製造に手間はかかりますが、さらなる強度を誇ります。ラジアルマウントキャリパーのほうがキャリパーにかかるメカニカルストレスが少なく、弾性変形が少ないことからブレーキングの安定性が向上するのです。なお、現代のラジアルキャリパーはニッケルメッキが施されたアルミニウムから作られています。

ポルティマオ戦でのブレーキング

15のコーナーの中でライダーたちはブレーキを1周ごとに10回使用します。時間に換算すると31秒半となり、レース時間の中で31%ブレーキングしていることになります。3秒半以上ブレーキが使用されるコーナーは3つあります。

平均的な最大減速Gは1Gですが、その値は場所によって様々です。3つのコーナーでは0.8Gですが、ブレーキへの要求が大きな箇所では1.5Gを超えることもあります。ブレーキングシステムにかかる圧力も様々で、5つのコーナーでは7bar、4つのコーナーでは10barを超えます。

ポルティマオ戦でブレーキに最も近くかかるセクション

アウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェの10のブレーキングポイントの中で、ブレーキに非常に高い負荷がかかると考えられているセクションは1つ、4が中程度、残り5が軽度と考えられています。

ブレーキに最も負荷がかかるのはターン1で、FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)の中でも最もブレーキングへの負荷が高いセクションの1つです。スーパーバイクはこのセクションに時速313km/hで進入し、205km/h減速し108km/hにまで速度を落とします。制動距離はわずか274mです。ライダーはブレーキを4.8秒間使用、ブレーキレバーにかかる圧力は6.5kgとなります。

(Source: Brembo)

(Photo courtesy of Brembo)