17名のFIM スーパーバイク世界選手権(SBK)ライダー達と密接に作業をしているブレンボの技術者たちによると、アウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェは、ブレーキには中程度の9度のサーキットといえます。難易度指数1〜5段階では3に該当し、ミサノと同程度となります。
継続的に加速と減速が繰り返されるシチュエーションですので、ライダーにとってはスロットルをオフにする時間がなく、ダウンヒルブレーキングでブレーキングが遅れるリスク、上り坂で早めにブレーキングを開始してしまうリスクがあります。下り方面の最大斜度は12%、上り方面の最大斜度は6%です。いくつかのポイントでは8%の勾配が存在します。
ブレンボブレーキキャリパーの進化
FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)が1988年にスタートしてから、ブレンボキャリパーは主要チームのファーストチョイスのブレーキでした。最初期は4本のネジで結合されたツーピースからなるキャリパーを使用していました。
剛性の限界、アルミニウムの膨張率の違いなどから、1990年代にはブレンボはモノブロックキャリパーを生み出しました。数年後ブレンボは、ラジアルマウントのモノブロックキャリパーを紹介しています。
こちらの方が製造に手間はかかりますが、さらなる強度を誇ります。ラジアルマウントキャリパーのほうがキャリパーにかかるメカニカルストレスが少なく、弾性変形が少ないことからブレーキングの安定性が向上するのです。なお、現代のラジアルキャリパーはニッケルメッキが施されたアルミニウムから作られています。
ポルティマオ戦でのブレーキング
15のコーナーの中でライダーたちはブレーキを1周ごとに10回使用します。時間に換算すると31秒半となり、レース時間の中で31%ブレーキングしていることになります。3秒半以上ブレーキが使用されるコーナーは3つあります。
平均的な最大減速Gは1Gですが、その値は場所によって様々です。3つのコーナーでは0.8Gですが、ブレーキへの要求が大きな箇所では1.5Gを超えることもあります。ブレーキングシステムにかかる圧力も様々で、5つのコーナーでは7bar、4つのコーナーでは10barを超えます。
ポルティマオ戦でブレーキに最も近くかかるセクション
アウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェの10のブレーキングポイントの中で、ブレーキに非常に高い負荷がかかると考えられているセクションは1つ、4が中程度、残り5が軽度と考えられています。
ブレーキに最も負荷がかかるのはターン1で、FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)の中でも最もブレーキングへの負荷が高いセクションの1つです。スーパーバイクはこのセクションに時速313km/hで進入し、205km/h減速し108km/hにまで速度を落とします。制動距離はわずか274mです。ライダーはブレーキを4.8秒間使用、ブレーキレバーにかかる圧力は6.5kgとなります。
(Source: Brembo)
(Photo courtesy of Brembo)
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