2023年のMotoGPは毎週末土曜にスプリントレースが開催され、通常のレースの半分の距離で20分程度のレースとなり、これが土曜日のメインイベントとなる。

金曜日の45分のFP1、60分のFP2でQ2に進出するライダーが決定され、土曜日の午前中に30分の練習走行が行われる。予選セッションの順位はスプリントレースと決勝レースに対して有効となるため、予選結果が非常に重要となるが、こうした状況の中でミシュランタイヤの果たす役割はさらに大きくなっていく。[adchord]

ミシュランはモータースポーツを通じて、効率向上と環境保護を目的とした新技術やソリューションの開発・評価を行っている。2023年はMotoGP世界選手権のレギュレーションが改訂され、各グランプリで使用できるタイヤの数が少なくなっている。今年もまたミシュランの3種類のコンパウンド(ソフト、ミディアム、ハード)が用意されるが、1レースで選択できるのはリア2種類のみで、フロントはこれまで通り3種類から選択できる。

非対称コンパウンドのリアはほとんどのサーキットで採用されるが、非対称コンパウンドのフロントはザクセンリンク、フィリップアイランド等でのみ採用される予定。また、インドとカザフスタンという新しいサーキットでは、安全性を考慮し、ライダーがコースに慣れるまで3種類のリアコンパウンドが用意される。

1つのグランプリに割当てられるタイヤは28本から27本になり、フロント15本(各コンパウンド5本ずつ)、リア12本(最も柔らかいコンパウンド7本と、そのレースで使用できる硬いコンパウンド5本)となる。ライダーは最大22本(フロント10本/リア12本)のタイヤをグランプリで使用することができ、初期パッケージのうち5本が使用されないことになる。これは、過去2年間と比べて1人あたり3本使用出来るタイヤが減り、全体では1レースあたり66本、19レースで1,254本(2つの新会場を除く)のタイヤが削減されることになる。

このタイヤ本数の削減は、ライダーが使用するプレヒートタイヤの本数も少なくなることを意味する。レインタイヤの配分は昨年と変わらず、フロント6本、リア7本、そして2種類の仕様が用意されている。なお、ミシュランはプライベートテスト用にバイクメーカーに提供するタイヤの本数を240本から200本に引き下げており、これは、これまでの経験に基づくもので、生産量の削減、在庫管理の合理化、環境保護を目的としている。

ピエロ・タラマッソ

「ドルナが週末にさらにエキサイティングなイベントを追加した今年のレースに興奮しています。そしてこうしたレース形態はタイヤによりスポットライトが当たることになります。レース数は増えているものの、タイヤの本数はラウンドごとに少ない本数でやりくりする必要があります。少ない本数でより多くのアクション、興奮を生み出していくのは、ミシュランのモータースポーツへのアプローチと完璧に一致します。」


「タイヤの本数が減るということは、生産に必要な材料が減り、物流がシンプルになり、装着や取り外し、リサイクルに必要なタイヤの本数が減るということですまた、タイヤの性能と汎用性の高さから、各サーキットでコンパウンドの選択肢を最適化することが出来ます。」

「これら決定は、チームとの協議の末に下されたものであり、スポーツとして正しい方向へ進むための重要な一歩です。より少ないタイヤで、よりエンターテイメント性の高いスポーツを実現することは、ミシュランモータースポーツのすべての領域における取り組みと意識の高さを物語っているでしょう。」

(Photo courtesy of michelin)