ファビオ・クアルタラロは、ヤマハの作業方針とチーム内の大きな変化に注目しながら、エンジニアの懸命な努力にもかかわらずライバルとの距離がまだ遠いと認識している。コンセッションで戦闘力が改善するが可能性は高いが、特にリアタイヤのグリップ不足やエレクトロニクスの課題にはまだ克服すべき課題が多い。昨年の成績には満足しておらず、3年連続でタイトル争いをしてきた彼にとって、現在の状況は受け入れがたい。

ヤマハと共に戦闘力改善に取り組むクアルタラロ、ライバルとの差を縮める戦い

ファビオ・クアルタラロ

「今年のヤマハは作業の方針の面で大きく変わっていますし、チーム内部でもそうした変化があります。自分たちも前進していますが、ライバルも前進しています。エンジニアも懸命に努力してはいますが、まだライバルからは遠く離されています。今はベストを尽くしていくしかないでしょう。」

「コンセッションに関してはバイクに多くの変更を加えることが出来ることは間違いなくプラスです。エンジンは現時点で悪くありませんが、それ以外のアイテム、そしてテストを複数回行えることはプラスです。」

「レースウィークエンドはテストを行うには非常に複雑です。ただ、テストライダーのカルがいることが重要で、ヤマハはグリッド上で走るバイクは2台しかありませんから、今回のコンセッションは助かりますね。」

「多くの課題がありますが、昨年に関してはレースペースは常に1ラップペースよりも良かったんです。ですから、Q2で上位に立つことが非常に重要です。エレクトロニクスの課題もありますし、リアタイヤのグリップも不足しています。毎年悪化している部分はあると思っていて、2019年〜2021年はよりスムーズにライディング出来ていたと思っています。」

「昨年は自分の年間の位置について満足することは出来ませんでした。3年連続でタイトル争いをしてきて、このような位置で走ることを受け入れるのは簡単ではありません。しかし現在はそういった状況ではありませんし、チャンピオンシップを考えることは出来ません。」

「ただヤマハは努力していますし、状況は昨年よりは良くなっています。プロジェクトも昨年よりもクリアになってきていると感じています。時間はかかるものの確実に前進はしているでしょう。」

「ラップタイムを考えた時はトップスピードはそこまで重要ではありません。ただレースで考えていくと他のライダーとの関係性もありますから、重要になってきます。ヤマハのエアロダイナミクスは他のメーカーよりもパッケージとして軽いと思っていますが、これはヤマハが良い方向に進んでいるんだと信じています。少なくとも冬季テスト中のスピードに関しては満足ですね。」

(Photo courtesy of michelin)