マルク・マルケスは今日のレースを振り返り、初めの5周で苦戦、その後のリカバリーについて語った。マルクは今回のレースで終始素晴らしいペースがあったという事実に自信を持っており、ペッコとの接触も互いに転倒する可能性を避けて20ポイントを獲得した。Ducatiへの適合は終わったと語っていたようにペッコと互角の戦いを披露したが、最後はフロントタイヤの空気圧の上昇もありついていくことが出来なかったという。

Ducatiは全域で完成度が高いバイク

マルク・マルケス

「今日のレース、今週は最高に楽しみました。最速のライダー達と戦うことが出来ました。今日のレースでの失敗は最初の5周ですね。昨日のスプリントのミスが頭をよぎって体が固くなってしまいました。今日はペースがあったという事実がもっとも重要です。」

「マルコ・ベッツェッキを抜いた後はペッコに追いつくことが出来ました。最初のオーバーテイクはフロントの温度が高くなっていたので、やらざるを得ませんでした。バイクを止めることが難しくなっていたんです。」

「ペッコとの接触では、バレンシアでマルティンが似たような状況だったことを思い出してバイクを起こしたんです。あそこでバイクを起こしてポジションを失うか、レースを失うかという状況でした。2回目をトライしようと思っていたんですが、フロントのタイヤ温度的に難しかったですね。」

「こういった種類の接触は増えてきていると思いますが、今日は自分もリスクを理解したうえで正しいタイミングでバイクを起こすことが出来ました。そうでなければお互いに転倒していた可能性があります。接触の瞬間にバイクを起こしてスロットルを閉じてハイサイドを防ぎました。ポジションは失ったものの20ポイントを獲得しました。」

「こういったアクションの背後にあるのは尊敬とライバル心です。ポルトガルの時点では世界チャンピオン、そしてDucati最速の彼に対して挑むという意味がありました。今日は彼のレベルを再び感じると同時に、彼にアタックするスピードがありました。まだ彼には自分よりも優れた点がありますが、将来的にはさらに接近、上回っていけると思います。」

「今日は最初の5周以外は良いレースでしたし、ペッコよりスピードがなかったとは思いません。単純に前にいた彼のほうが有利だったということです。ホンダだと誰かの後ろでもそこまで問題なく走行出来たんですが、このバイクは1人で前で走ったほうが良い走行が出来ますね。次からはこれを意識していきます。引き続きプッシュして楽しんでいきます。楽しんで走ることが出来れば自分はスピードを発揮出来ますから。」

「まだチャンピオンシップを考えるタイミングではありません。もちろんこの先に苦戦するトラックは出てくるでしょう。このバイクでは自分のライディングスタイルの強みの1つが弱くなっていると感じますが、弱点が強化されている気もします。こういったバイクのバランスを明日のテストで確認していきます。」

「Ducatiは全域でより完成度が高いバイクだと思います。しっかりと性能を発揮してやればタイムが出てくるんですが、理由はわかりません。走り出してすぐにタイムが出ることもあります。全後輪をスライドさせる必要もなければ、フロントを限界までプッシュする必要もなく、スムーズに走行するだけでラップタイムが出るんです。これは自信を与えてくれますね。」

「今までのところバイクの限界を超えて転倒した感覚はありません。フロントがロックしたり、リアがスライドしたりで転倒しているわけではないんです。まだ限界がどこか確認する余地が残っているんです。」

「オースティンのようなブレーキの問題は残っていますが、原因はだいたい把握しましたし、ブレーキにとっての適温がわかってきたと思います。これから温度が高いレースが続いていくと思いますが、把握出来ていると思います。」

(Photo courtesy of michelin)