バトルをするには最悪の相手と語るマルケス選手とのバトルを制したドヴィツィオーゾ選手。最終コーナーでマルケス選手が攻めてくるのがわかったので、あえてインを閉めずに立ち上がりを重視する戦略を取ったとのこと。振り返ると、この戦略が勝利出来る唯一の方法だったと言います。
Q
「ここスピルバーグでのレースですが、スティーブン・スピルバーグですら、ここまでドラマに満ちたエンディングは考えていなかったでしょう。素晴らしいバトルの後で今はほっとしているでしょう。マルク相手のこの最終コーナーのバトル。キャリアの中でも最高のものだったのでは?」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ
「最高のバトルの1つでしょうね。今週末はタイヤ、あらゆるコンディションに備えること、気温の変化も大きかったです。自分とマルクだけが良いペースで走行出来ていたので、結果的に2人だけタイヤを温存することが出来たんです。これが違いを生み出したのだと思います。マルクとのバトルは非常に厳しいものでしたから、こうしたレースをコントロール出来たのは嬉しいことです。彼とのギャップを縮めるにはどうすれば良いかを理解しようとしていました。」
「彼と最後まで一緒に走るとなるとかなり厳しいだろうと思っていたんです。ただ全てのコーナーでインを閉めて、どうすれば良いかを理解しようとしました。そして最後のターン9では彼が自分より速くスロットルを開けるのが聞こえました。そのため彼が最終コーナーで仕掛けてくるのがわかったので、インは閉めずに彼よりも早く立ち上がるという作戦を取りましたが、これが上手くいきました。今振り返って考えてみると、あれが唯一彼に勝利する方法だったでしょう。ですからあそこでしっかりと集中していることが出来たことに関して嬉しく思います。」
Q
「次はシルバーストーンですが、その前にもう少し最終コーナーのバトルについて話をいいでしょうか。マルクはターン9で最初仕掛けようと思っていたようですが、もう少し詳細にバトルについて教えてもらってもいいですか?」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ
「フロントで走っている場合は、あまり多く言うべきことはありません。ただ悪いことが起きないように祈るというだけで、インを閉めて、近づいてくるバイクのエンジン音を聞いて、状況を理解しようとするということです。ただ今回は自分の後ろで走っているのが、バトルをするには最悪のライダーだったってことです。」
Q
「最終コーナーではマルクは完全に横を向いている状態でした。接触かと思える状態でしたが、あそこで勝利を確信したのでしょうか?」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ
「最終コーナーはあまりスペースがありませんから、当初は彼が最終コーナーで仕掛けてくるとは予想していませんでした。ただマルクはどういうわけかそういうスペースを見つけるのが得意なんです。ですから、彼がスロットルを開けるのが聞こえて “OK、ここで仕掛けてくるのか!”と理解してそれでインを閉めないでいたんですが、これが鍵でしたね。」
Q
「昨年はDucatiにとって最高の日となりましたが、あなたにとっては悔しいものとなりました。今日は昨年のレースの悔しさを埋める上で、どのような役割を果たしたのでしょう?また、チャンピオンシップに関してはあなたは現在2番手となったわけです。そしてマルケスからは16ポイント差という状況です。素晴らしい1日でしたね。」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ
「確かに昨年は本当にがっかりでした。あのDucatiにとって久しぶりの勝利は、自分にとってはまさに”自分のための勝利”だったんです。昨年はイアンノーネがより優れたタイヤ戦略をとりましたよね。ただ今年は昨年のことは忘れて、ポジティブなことに集中したいと思います。」
Q
「マルク相手の最終コーナーでの勝利というのは非常に価値があるものでしょう。」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ
「確かにマルク相手にバトルで勝つというのは、ほとんど不可能ですからね(笑)正直あの瞬間は頭に来ていました。あんなところで仕掛けてくるのは彼だけですよ。ただ自分の反応のほうが速かったので、本能的にインを閉めなかったんです。」
Q
「シルバーストーンが2週間後にありますが、既に3勝をしている段階で迎えるシルバーストーンに関してはどのような考えですか?」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ
「シルバーストーンは非常に難しいトラックです。コンディションもそうですしバンプも沢山あります。非常にフィジカルなトラックで、タイヤの状況も含めてどうなるかわかりませんが自信はあります。ミサノで事前にテストもありますし楽しみにしています。」
(Photo courtesy of michelin)