★2018年のMotoGPの見どころ(その4) 2018年シーズンは成功が絶対条件のロレンソ

2018年のシーズン開幕前に、2018年のMotoGPの見どころをお届けしています。その4としてお届けするのは、今年は移籍後2年目となるDucatiでの成功が絶対条件であるホルへ・ロレンソ選手についてです。

2年目となるDucatiでの成功が絶対条件のロレンソ選手

2017年にロレンソ選手がDucatiでどの程度の成績を残せるかどうかについては様々な予想がなされていました。結果的には2017年シーズンにロレンソ選手はランキング7位、優勝はなく、2位表彰台が1回(マレーシアGP)、3位表彰台が2回(スペインGP、アラゴンGP)という結果でした。この結果についてはDucatiの期待していたところではなかったでしょうし、ファンも移籍したその年に優勝を遂げて欲しかったと思っていたでしょう。

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ロレンソ選手が2017年の特に前半に思ったような成績を残せなかった理由としては、彼が思っていた以上にヤマハからDucatiへの乗り換えが難しかったということがあります。Ducati デスモセディチは今までは「ストーナー以外乗りこなせないバイク」として、ある意味有名でした。しかしDucatiにアプリリアからジジ・ダッリーニャが移籍したことで、2014年よりチーム体制、マシン開発の方針を大きく変え、次々と結果を出してきました。こうしたこともあって、「Ducatiはもはや今までのバイクではないのだから、移籍初年度でもロレンソが結果を出せるのでは?」という期待がされていたわけです。

ロレンソ選手の言葉によると、デスモセディチとYZR-M1のライディングは正反対とも言えるもので、またデスモセディチで要求されるライディングテクニック自体も、ロレンソ選手本来のライディングテクニックとは相反する部分が多かったようです。こうした内容についてロレンソ選手は「Ducatiではレイトブレーキングをすること、ブレーキを強烈にかけること、荷重移動を多めにとることなど、自分に言い聞かせる必要がある」と語っています。

2017年シーズンは中継映像を見ていても、コーナー進入でロレンソ選手が進入スライドを使用するようになっており、本人曰く「ヤマハ時代は使ったことがなかった」というリアブレーキも使用するようになったと語っていました。また、コーナー立ち上がりに関してもDucatiでは「スロットルをアグレッシブに開けてコーナーの中でバイクを少しスライドさせる必要がある」とも語っています。


アンダーステア傾向が強い(曲がらない)ということでも有名なデスモセディチですが、「ヤマハ時代よりもコーナリングスピードは5km/h遅い」と語るロレンソ選手は、そうした部分で失っている部分を、デスモセディチの武器である強力な加速、ブレーキング時の高い安定性で取り戻す必要があるとしています。

こうしたマシンの特性を踏まえて、それでは勝てないバイクなのか?というと、最終戦までマルケス選手とタイトル争いを演じたドヴィツィオーゾ選手は、2017年に6勝、2位と3位表彰台を1回づつ獲得しています。ロレンソ選手と比較するとDucatiで走ってきた(※2013年よりDucati)時間が圧倒的に長いドヴィツィオーゾ選手ですので、マシンの性格、強みも弱みも全て把握しつくしているとは言え、ロレンソ選手はDucatiがMotoGPで世界タイトルを獲得すべく大枚をはたいて獲得したわけですから、2017年はともかく2018年に結果を出せないということはあってはなりませんし、ロレンソ選手もそれはわかっているでしょう。

2017年シーズンはチェコGPから投入された新型フェアリングで良い感触を得たロレンソ選手は、残りのシーズンのほぼ全てでこのフェアリングを使用していました。2018年はヤマハがテストで披露したウイングレット復活を思わせる過激なフェアリングから見てとれるように、各メーカーのフェアリングの形状は2017年シーズンよりも過激になることが予想されます。また、ロレンソ選手、ドヴィツィオーゾ選手は2018年に向けてさらにスムーズな特性のエンジンを要求しているようですので、さらに旋回性がアップするフェアリング、スムーズな特性のエンジンが実現すれば、Ducatiの戦闘力はさらに高まるでしょう。

未知のバイクだったデスモセディチへの理解が深まり、バイクの戦闘力も高まることが予想される2018年。ドヴィツィオーゾ選手がマルケス選手相手に勝利出来るバイクであることを証明もしているわけですから、ロレンソ選手にとって2018年に数勝することは最低条件、タイトル争いをすることが求められています。

なお、2019年に関してはPramacのペトルッチ選手は、Ducatiファクトリーへの移籍が可能というオプションがついた契約となっています。2018年シーズン中盤までにロレンソ選手の結果がペトルッチ選手を下回るようであれば、Ducatiはロレンソ選手と2019年に契約更新をしないという可能性もあるという、Ducatiからのメッセージであると考えてもいいでしょう。ロレンソ選手には発破をかけ、ペトルッチ選手には結果次第ではファクトリー入りが可能だという夢を持たせるという上手いやり方だと言えるでしょう。


もちろんドヴィツィオーゾ選手がファクトリー落ちをする可能性もあるわけですが、今の高い戦闘力を持つデスモセディチを、ジジと共に作った功労者、開発能力を持った選手であるドヴィツィオーゾ選手を、Ducatiが簡単に手放すとも思えません。とは言え、ロッシ選手がいる限り、けしてヤマハにとってのナンバーワンライダーになれなかったこと、そのロッシ選手も乗り換えに失敗したDucatiで成功することが大きなモチベーションになってDucatiに移籍したロレンソ選手にとっても、Ducatiで優勝を重ね、タイトルを獲得することは悲願のはずです。

ロレンソ選手にとって絶対に失敗出来ないシーズンとなる2018年ですが、ファンとしては、ロレンソ選手なら必ずや成功すると信じる事が、何より大切でしょう。

(Photo courtesy of michelin)

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