アラゴンGPでアンドレア・イアンノーネが表彰台を獲得しましたが、これによってスズキは2019年からコンセッションを失うこととなります。このコンセッションルールは2013年以降にドライコンディションで優勝がないチーム、新規参入のチームに対して有効となるもので、シーズン中に使用出来るエンジンがライダー1人あたり9基(通常は6基)、エンジンのデザイン変更がシーズン中に可能(通常はシーズン中のエンジン開発は凍結)、無制限のテスト(通常は5日が限度)、ワイルドカードエントリーが最大6回(通常は3回)などで優遇されるものです。

このコンセッションはシーズン中にドライ、ウェット関係なく6ポイントのコンセッションポイントを獲得すると、翌年から剥奪されるもので、優勝が3、2位が2、3位が1ポイントそれぞれ加算されます。スズキはアレックス・リンスがカタールで3位(1ポイント)、アメリカで2位(2ポイント)、アンドレア・イアンノーネがアメリカで3位(1ポイント)、ヘレスで3位(1ポイント)、そしてアラゴンで3位(1ポイント)を獲得したことで合計6ポイントに達したことになります。

なお、スズキはエンジンの使用数などは既にコンセッションルールに依存しないようにシーズンを戦っているとされており、ダヴィデ・ブリビオは何度も「コンセッションを早く失うことが目標」と語ってきました。コンセッションを失う=正しい方向にバイクが開発出来ていると言えますが、イアンノーネが今回プレスカンファレンスで協調したように、Ducati、ホンダに対してエンジンパフォーマンスが劣っているのは事実ですので、全体のバランスを崩さない程度でエンジンパフォーマンスを向上することは今後も求められていくでしょう。

なお、今期優勝がないヤマハに関しては、いくら成績が悪くてもコンセッションが適用されることはないはずですが、このあたりのルール解釈は変わる可能性がありますし、ヤマハが強くないとシリーズが面白くないのはドルナも承知しているはずです。コンセッションを適用されるということは名実共に戦闘力がトップチームと比較して劣っているということであるため、コンセッションを適用されてヤマハ陣営が喜ぶかどうかはさておき、コンセッション適用で復活するヤマハを少し見てみたい気もします。

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(Photo courtesy of michelin)