ピレリ(Pirelli) マレーシアGPでMoto2に「スーパーソフト」投入 E0126デベロップメントタイヤが高温・低グリップのセパンで性能発揮なるか

ピレリは、今週末のマレーシアGP(セパン・インターナショナル・サーキット)において、Moto2クラス向けに新たなリアタイヤの選択肢としてデベロップメントスーパーソフト「E0126」を導入する。2024年と比較してリアのコンパウンドはワンステップ柔らかくなり、SC0が今季は“ハード側”の選択肢となる。

■Moto2:スーパーソフトE0126が3戦目の投入

今回マレーシアに投入されるE0126は、2025年シーズンの中で3回目の採用。デビューはオーストリアGP、続いてサンマリノGPでも使用され、いずれも好評価を得ている。SCX(スーパーバイクで使用されるスーパーソフト)と同じコンパウンドを異なる構造に応用したもので、路面温度が非常に高くなり滑りやすくなるセパンには最適とされている。昨年のセパンでは、ソフトSC0が主に使用され良好な耐久性を見せたことから、E0126の導入によりさらなるトラクションとラップタイムの向上が期待されている。

■Moto3:昨年と同じ標準構成を継続

Moto3クラスでは昨年と同じタイヤ構成が維持され、前後共にソフトSC1とミディアムSC2が用意される。2024年の決勝では、リアにSC1、フロントにSC2を組み合わせる選手が多数を占め、優勝したダビド・アロンソもこの組み合わせを採用していた。

■ジョルジオ・バルビエ(ピレリ・モーターサイクル レーシングディレクター)

「セパンはタイヤにとって非常に過酷なサーキットです。長いストレートと低速コーナーが交互に現れ、ブレーキングへの負荷が大きく、さらにターン9から14のテクニカルなセクションでは高い操縦性が求められます。天候も予測不能で、スコールのような雨や極端な高温によりグリップが大きく左右されます。」

「特に最終コーナーはネガティブバンク(外側に傾いた路面)になっており、最大バンク角で前後タイヤに強い横荷重がかかります。路面は中程度の摩耗性ですが、昨年のMoto2決勝ではSC0で良好な摩耗具合が確認されました。このような条件下では、スーパーソフトのE0126が有効な選択肢となる可能性があります。気温が高くなるとアスファルトの自然なグリップが減少し、トラクションが失われがちですが、非常に柔らかいコンパウンドであればその弱点をカバーできます。オーストリアとミサノで実証された性能が、セパンでも再現できるか注目です」