今回ヤマハはFP2の時点でロッシのバイクに新型エキゾーストを使用。これは管長が長いもので、トルクアップ、最高速アップを狙ったものと考えられます。実際これがレースで使用されるか定かではありませんが、ヤマハはファクトリー、サテライトに関わらずストレートスピードでライバルに大きく遅れを取っています。

FP2の時点ではありますが、ロッシ、ビニャーレス、そしてファクトリーバイクと極めて近い仕様とされるAスペックのバイクに乗るフランコ・モルビデッリ3台の最高速の平均速度と、Ducatiのファクトリーバイクに乗るアンドレア・ドヴィツィオーゾ、ダニロ・ペトルッチ、ジャック・ミラーの3台の最高速の平均速度を比べて、ヤマハの最高速不足の問題が解消に向かっているのか見てみましょう。

イタリアGPのFP2では、上記のDucati3台の平均最高速度は347.0km/hとなり、ヤマハの3台は337.1km/hで、その差は9.9km/hでした。

今回のカタルーニャGPでは同様のFP2時点でDucatiの平均最高速度は339.7km/hで、ヤマハは332.4km/h、その差は7.3km/hでした。

イタリアGPのFP2、カタルーニャGPのFP2でのDucati、ヤマハの平均最高速度の差は2.6km/h縮まっていますので、「ヤマハとDucatiの平均最高速度の差は縮まっていると言えるが、依然としてその差は大きい」と言えます。

ファビオ・クアルタラロはFP2では1位タイムを獲得していますが、これはあくまで練習走行の話ですので、いざレースとなって集団で走行する中、最高速度の差がここまで大きいと、ストレートで離された差を挽回することは非常に難しいでしょう。エンジンの開発が凍結されている以上、エキゾーストや電子制御、フェアリングなどの部分で最高速度の差を解消するしかないわけですが、シーズン中に劇的な変化は期待出来ないと予想されます。

(Photo courtesy of michelin)