ミシュランにとってフィリップアイランドでの最も大きな脅威はフィリップアイランドの自然でした。何度も激しい天候に見舞われた週末、マルク・マルケスが27周のレースで優勝しています。

激しい前、強烈な風、冷たい気温、温かい日差しなど、様々な天候に見舞われたフィリップアイランドで、ミシュランのタイヤは全てのコンディションでしっかりと機能。

この激しいコンディションの影響で土曜午後の予選がキャンセルとなりました。これは激しい風によって走行が危険だと判断されたためです。予選は史上初めて日曜開催となりました。

ポールポジションを獲得したのはマーべリック・ビニャーレスで、2位はQ1からQ2に進出したファビオ・クアルタラロ、3位マルク・マルケスとなりました。

どんよりとした天候の下、外気温は16℃、トラック温度は今週最も高い30℃に上昇。6種類のうち5種類のMICHELIN Power Slickコンパウンドが使用され、ライダー達はトラックでの走行時間が限られていた中でそれぞれのタイヤを選択。

バレンティーノ・ロッシが4番グリッドから素晴らしいスタートをしてレースをリード、そのまま3周レースをリードした後、カル・クラッチローが4周目にトップに立ちます。カル・クラッチローの後ろにはマーべリック・ビニャーレスが迫り、10周目にトップに立ちます。

ビニャーレスは前後ソフトタイヤを使用、マルケスはフロントにハード、リアにソフトを使用してビニャーレスを追い、またしてもレースは最終ラップでの戦いの様相を呈します。残りコーナーが2つとなった時点でマルケスがフロントを走行、ビニャーレスはマルケスをオーバーテイクしようとして転倒、これによってマルケスが優勝、今シーズン11勝目を達成します。

マルケスは最高峰クラス55勝目を記録し、ホンダライダーとして最も成功を収めたライダーとなりました。彼はそれまで54勝という記録を保持していたミック・ドゥーハンを抜いたことになります。なお、ミックの54勝は全てミシュランタイヤによって達成された勝利です。

残りの表彰台を獲得したのは前後ハードタイヤを使用したカル・クラッチローでした。カル・クラッチローは同時に独立チーム1位となり、3位にはミディアムフロント、ハードリアの組み合わせを使用したジャック・ミラーでした。地元のヒーローであるジャック・ミラーの表彰台獲得に観客は大いに湧きました。

4位はフランセスコ・バグナイア、5位ジョアン・ミル、6位アンドレア・イアンノーネとなり、この3名は今シーズン最高の結果を記録しています。7位アンドレア・ドヴィツィオーゾ、8位バレンティーノ・ロッシ、9位アレックス・リンス、10位アレイシ・エスパルガロとなりました。

オーストラリアGPではレースウィークの中で初めてタイヤテストが開催され、20分のセッションは土曜午後に開催され、ミシュランと全てのライダーは、カレンダーの中で最もタイヤにとって過酷なサーキットで2020年のリアタイヤをテストすることとなりました。

全てのライダーがセッションに参加、11周を周回。ミシュランは多くのデータを得ています。この情報はクレルモン・フェランに送られ、この先のウインターテストでの使用、来年のタイヤラインナップへの追加に関する意思決定が行われます。

ミシュランはこの先マレーシアのセパンに向かい、3連戦の最終戦、そして2019年の最後の2戦に挑みます。MotoGP第18戦は11月3日に開催されます。

マルク・マルケス

「皆にとってクレイジーな1週間でした。特にタイヤチョイスに関しては苦労しましたね。雨が降って、風のせいでセッションがキャンセルとなり、その状況ではどれが最適なタイヤなのかという判断は非常に難しいですよね。フィリップアイランドではタイヤの消耗が非常に大きいですし。自分はソフトリア、カルとジャックはハードを使用していました。つまりいずれのタイヤも優勝に十分なポテンシャルがあったということですよね。」

「最終的に自分達は素晴らしい仕事が出来ましたし、ミシュランスタッフも最高の働きをしてくれました。クレメント、ピエロはチームに非常に重要な情報を与えてくれましたし、レースに向けて正しいタイヤチョイスが出来たと思います。」

2輪モータースポーツグループ・マネージャー:ピエロ・タラマッソ

「マルクが言っているようにクレイジーな週末でした。雪以外はあらゆる天候を経験することとなりました。タイヤは激しい雨、冷たいアスファルト、強い風という厳しい環境の中で使用されることとなりました。スリックタイヤも雨の路面で性能を発揮しましたし、ライダー達もドライコンディションで走行出来た時間は非常に短かかったと思います。」

「その中でもミシュランはライダー達のタイヤチョイスに関して最適なアドバイスが出来ましたし、表彰台を獲得したライダー達の使用タイヤが異なっていたのも嬉しい結果です。また、6種類のうち5種類のタイヤが使用されていたというのも嬉しい事実です。フィリップアイランドではタイヤの消耗が常に課題となりますが、今回のタイヤの消耗はそこまで大きくなく、非対称コンパウンドのフロント、リアの組み合わせが正しく、コンスタントなパフォーマンス発揮に役立ったと言えるでしょうね。」

「またタイヤセッションによって、全てのライダーが20分間新しいタイヤによってテストを行うことが出来ました。この後3連戦が終わった後にフランスに戻り、タイヤを評価、全てのデータに目を通し、さらにテストを重ねるか、新しいタイヤをラインナップに追加するかを判断します。」

「この先マレーシアへと向かいますが、マレーシアはもう少し温暖であることを願っています。もちろん天候はチャレンジングな状況であるとは思いますが、セパンではしっかりとテストを行っています。いかなるコンディションであってもタイヤがしっかりと機能するという自信があります。」

(Source: michelin)

(Photo courtesy of michelin)