ミシュランとMotoGPは、Covid-19の影響で開幕がずれ込んでいたMotoGP2020年シーズン開幕に向けて準備を進めています。本来3月に開幕するはずだったMotoGPは、ウイルスの影響で開幕が遅れていました。しかし、ミシュランとMotoGPパドックはヘレスでの2連戦を迎え、世界中のファンにスペインGP、そしてアンダルシアGPを連続でお届けします。

新しいパワースリックリアタイヤが登場

2020年開幕は、フランスのミシュランタイヤにとっては最新バージョンのミシュラン パワースリックを披露する場でもあります。新しいミシュラン パワースリックは既存タイヤとは構造が異なり、すべてのメーカーのライダーにグリップ、パフォーマンス、耐久性の向上を感じてもらえる作りです。

2019年から2020年にかけて行ったテストでは、カレンダーの中で最も厳しいサーキットであるオーストラリアでレースウィーク中に開発テストを実施しました。すべてのデータ、ライダー達のフィードバックはクレルモン・フェランのミシュランテクニシャン達が分析し、2020年から新しいタイヤが増えています。なお、このタイヤは本来カタールで登場する予定でしたが、今回ここでの登場となったのです。

ヘレスの気温は当初5月の決勝日よりもかなり高くなるため、ミシュランにとってユニークなチャレンジとなりますが、ロックダウン期間中にミシュランのテクニシャン達は、過去のデータ解明に懸命に取り組み、コンピュータシミュレーションの助けを借りて、新しいコンディションに適合する最適なコンパウンドを選択、近年再舗装を行っている全長4,423mのトラックで最適なパフォーマンスを得ることが出来るでしょう。

開幕戦スペインGP、そして翌週のアンダルシアGPでは同じコンパウンドが使用され、フロント、リアそれぞれ3種類のミシュラン パワースリックタイヤが使用されます。コンパウンドはソフト、ミディアム、ハードで、すべてのフロントタイヤは左右対称デザイン、リアは左右非対称となり、タイヤ右側は8つある右コーナーに対応したハードなものとなります。対して左コーナーの数は5つです。

暖かい気候と高い気温が予想されるため、雨が降る可能性はほとんどありませんが、万が一の雨の場合にミシュランパワーレインタイヤが用意されます。これらは、フロントとリア両方がソフト、ミディアムコンパウンドとなり、リアは左右非対称デザインとなり、タイヤ右側がハードなもの。フロントは左右対称になります。

ミシュランとMotoGPパドックは、コロナウイルスの状況に関して可能な限り安全にレースを進めるために、厳しいプロトコルに従う必要があります。そのため2020年のMotoGPのルールは既存と異なり、最もわかりやすい1つとして無観客でのレースとなります。これはシーズンが進むにつれて変更となる可能性がありますが、ミシュランはこのような状況であっても、MotoGPにタイヤを供給し、エキサイティングで接近してレースを盛り上げていきます。

今年はミシュランの新しいパワースリックリアタイヤのデビューだけでなく、ブラッド・ビンダー、イケル・レクオーナ、アレックス・マルケスのMotoGPクラスデビューでもあります。7月から11月まで凝縮して開催される13戦で、状況に応じて11月以降にさらなる連戦が予定されています。

ミシュランとMotoGPフィールドは、7月15日水曜日にトラックアクションをスタートします。ライダー達は長い休暇期間の後でタイヤとバイクに慣れるためのテストが必要です。金曜日には2つの練習走行が開始、土曜日には予選走行の前に、さらに2つの練習走行があります。

ミシュランの新しいパワースリックリアタイヤのデビューとなる決勝レースは、日曜日の現地時間14時に開催となります。翌週のアンダルシアGPは同時刻に開催されますが、レース前のテストはありません。

新しいMotoEタイヤは効率性と環境性能を向上

ヘレスで開始される2戦の中で、ミシュランはMotoEワールドカップにもタイヤを供給します。今年ミシュランはEnergica Ego Corsaモーターサイクル用に設計された、まったく新しいタイヤを投入します。

新しいタイヤは2019年のバージョンと比較して、リアタイヤの構造を大幅に変更。全範囲でバイオマテリアルと再生材料の導入による恩恵を受けています。タイヤ構造とコンパウンドに持続可能な資源を使用しており、新しいタイヤは、より環境に優しいタイヤとなっています。

金曜日には2つの練習走行が行われ、土曜日にさらに練習走行が行われます。土曜日午後にはEポールが開催されます。新しいミシュランSlick MotoEタイヤは、フロントがミディアム、リアがソフトで、いずれも左右対称デザインです。雨天時にはフロントはミシュランパワーレインソフトタイヤ、リアがエクストラソフトのミシュランパワーレインが使用可能。いずれも左右対称デザインとなります。 MotoEのレースは日曜日に行われ、現地時間10時5分からスタートとなります。

2輪モータースポーツグループ・マネージャー:ピエロ・タラマッソ

「今シーズンがようやく始まるのは、本当に励みになります。2020年はテストと新しいリアタイヤの最終調整で良いスタートを切りましたが、その後起こった新型コロナウイルスの発生により全てが延期となりました。そして今レースをする機会が準備され、これらの困難な時期の後、ファンに興奮をお届けすることが可能となりました。」

「新しいカレンダーでは、いくつかのレースがオリジナルの開始日と異なる日付での開催となります。特に開幕戦のヘレスは5月の気温を遥かに上回る高温でのレースです。過去のデータを分析し、コンピューターシミュレーションを活用して予想を立て、それに合ったコンパウンドを用意しました。」

「今回私たちにとって最も重要なのは、新しいリアタイヤのデビューです。このタイヤ構造はプレシーズンテストで検証され、2020年から追加されたもので、レースで使用するのは今回が初めてになります。 ミシュランが2016年にMotoGPに復帰した際にさらなる進化を続けることを決め、今年はさらにタイヤのパフォーマンス範囲を広げることが出来ました。」

「新しいリアタイヤは、すべてのライダーとマシンで機能するように設計されており、カタールテストではすべてのメーカーが最適な設定を見つけることが出来たと確信していますし、今週末そして来週末で新しいラップレコードを記録出来ることを願っています。」

「ヘレスでは2週連続のレースに加えてMotoEもあります。2019年にスタートしたMotoEは今年もまた素晴らしい形でシーズンを継続出来るでしょう。MotoEは私たちのグループにとっても非常に重要なレースで、今年は、バイオマテリアルと再生材料を組み込んだタイヤを投入します。」

「ミシュランは、エネルギー効率、持続可能なモビリティ、環境への配慮に焦点を当てたレースシリーズの技術パートナーであることを嬉しく思います。 2019年のMotoEワールドカップでは、素晴らしいレースが展開されました。今年このシリーズの2年目を迎えることは楽しみですね。」

(Source: michelin)

(Photo courtesy of michelin)