ヘレスで行われたFIM スーパーバイク世界選手権(SBK)の最終日は素晴らしいレースが展開された。スコット・レディングはレース1の優勝後、レース2でも優勝。レディングはこれでダブルウィンを達成し、チャンピオンシップにおいてもジョナサン・レイを24ポイント上回って首位に立った。なお、チャンピオンのジョナサン・レイはスーパーポールで優勝している。

WorldSSP600ではルーキーのロカテリが3勝目を獲得。これでチャンピオンシップリーダーとなり、クルーゼルに対して15ポイントのリードとなった。 WorldSSP300クラスではBahattinソフォーグルが優勝を飾った。

ヘレスのレース2日目もピレリ(Pirelli)のディアブロ・スーパーバイクレーシングスリックが高い気温で性能を発揮。ほぼ全てのライダーがスタンダードタイヤを選択している。

スーパーポールレースでは、アルヴァロ・バウティスタ、ハスラム、サイクスを除く全ライダーがスーパーソフトのスタンダードSCXタイヤを使用。フロントはバウティスタ以外はスタンダードSC1ソフトタイヤを使用している。

レース2ではほぼ全てのライダーがレース1同様のタイヤを選択。高い気温におけるスタンダードSC1フロントタイヤ、SC0リアタイヤの信頼性の高さを表している。アルヴァロ・バウティスタはミディアムSC2をフロントに、ジョナサン・レイはX1351 SC0を使用。メランドリとアレックス・ロウズは20周のレースにスーパーポールレース用のスタンダードSCXを使用している。

WorldSSP600のレース2では、リアにスタンダードSC0、フロントには22人中12人がスタンダードSC2を使用。残りのライダー達はスタンダードSC1を使用した。

スーパーポールレース

ジョナサン・レイが直ぐさまレースをリード、トプラック・ラズガトリオグルがポールスタートのレディングを抜いて2位となる。その後ろにマイケル・ファン・デル・マーク、ロリス・バズが続き、異なるメーカーでリーディンググループが形成される展開に。

レイはリードを広げ、トプラックをレディングが追う。しかしトプラック・ラズガトリオグルはマシントラブルでリタイア、そのままレイが優勝してレディングが2位、3位はマイケル・ファン・デル・マークが獲得した。

1) J. Rea (Kawasaki Racing Team WorldSBK / Kawasaki ZX-10RR)
2) S. Redding (ARUBA.IT Racing – Ducati / Ducati Panigale V4 R)
3) M. van der Mark (PATA YAMAHA WorldSBK Official Team / Yamaha YZF R1)
4) L. Baz (Ten Kate Racing Yamaha / Yamaha YZF R1)
5) C. Davies (ARUBA.IT Racing – Ducati / Ducati Panigale V4 R)
6) T. Sykes (BMW Motorrad WorldSBK Team / BMWS1000 RR)
7) A. Lowes (Kawasaki Racing Team WorldSBK / Kawasaki ZX-10RR)
8) G. Gerloff (GRT Yamaha WorldSBK Junior Team / Yamaha YZF R1)
9) L. Haslam (Team HRC / Honda CBR1000RR)
10) Á. Bautista (Team HRC / Honda CBR1000RR)
11) M. Rinaldi (Team GOELEVEN / Ducati Panigale V4 R)
12) X. Fores (Kawasaki Puccetti Racing / Kawasaki ZX-10RR)
13) E. Laverty (BMW Motorrad WorldSBK Team / BMW S1000 RR)
14) S. Cortese (OUTDO Kawasaki TPR / Kawasaki ZX-10RR)
15) M. Scheib (ORELAC Racing VERDNATURA / Kawasaki ZX-10RR)
16) F. Caricasulo (GRT Yamaha WorldSBK Junior Team / Yamaha YZF R1)
17) L. Mercado (Motocorsa Racing / Ducati Panigale V4 R)
18) M. Melandri (Barni Racing Team / Ducati Panigale V4 R)
19) C. Ponsson ((Nuova M2 Racing / Aprilia RSV4 1000)
20) L. Gabellini (MIE Racing Althea HONDA Team / Honda CBR1000RR)
21) S. Barrier (Brixx Performance / Ducati Panigale V4 R)
22) T. Takahashi (MIE Racing Althea HONDA Team / Honda CBR1000RR)
RT) T. Razgatlioglu (PATA YAMAHA WorldSBK Official Team / Yamaha YZF R1)

WorldSBKクラス レース2

ほぼ全てのライダーがレース1と同様のタイヤを選択し、スタンダードSC1、スタンダードSC0が最も使用された。ジョナサン・レイはポールからスタートしスコット・レディング、ロリス・バズ、チャズ・デイビス、トプラック・ラズガトリオグルと差を広げる。

しかしレイは2周目にレディングに捕まり、トプラック・ラズガトリオグルが3位につける。レイはその後チャズ・デイビスにも抜かれ、トプラック・ラズガトリオグルに背後に付けられ、最終的にとプラックにも抜かれる。

スコット・レディングとチャズ・デイビス、トプラック・ラズガトリオグルは後続を引き離し、後方ではマイケル・ファン・デル・マークが順位を上げる。スコット・レディングはそのまま問題なく優勝、2位にチャズ・デイビス、3位トプラック・ラズガトリオグルとなった。

1) S. Redding (ARUBA.IT Racing – Ducati / Ducati Panigale V4 R)
2) C. Davies (ARUBA.IT Racing – Ducati / Ducati Panigale V4 R)
3) T. Razgatlioglu (PATA YAMAHA WorldSBK Official Team / Yamaha YZF R1)
4) M. Rinaldi (Team GOELEVEN / Ducati Panigale V4 R)
5) A. Lowes (Kawasaki Racing Team WorldSBK / Kawasaki ZX-10RR)
6) J. Rea (Kawasaki Racing Team WorldSBK / Kawasaki ZX-10RR)
7) M. van der Mark (PATA YAMAHA WorldSBK Official Team / Yamaha YZF R1)
8) Á. Bautista (Team HRC / Honda CBR1000RR)
9) M. Melandri (Barni Racing Team / Ducati Panigale V4 R)
10) G. Gerloff (GRT Yamaha WorldSBK Junior Team / Yamaha YZF R1)
11) T. Sykes (BMW Motorrad WorldSBK Team / BMWS1000 RR)
12) L. Haslam (Team HRC / Honda CBR1000RR)
13) X. Fores (Kawasaki Puccetti Racing / Kawasaki ZX-10RR)
14) S. Cortese (OUTDO Kawasaki TPR / Kawasaki ZX-10RR)
15) L. Mercado (Motocorsa Racing / Ducati Panigale V4 R)
16) F. Caricasulo (GRT Yamaha WorldSBK Junior Team / Yamaha YZF R1)
17) L. Baz (Ten Kate Racing Yamaha / Yamaha YZF R1)
18) M. Scheib (ORELAC Racing VERDNATURA / Kawasaki ZX-10RR)
19) L. Gabellini (MIE Racing Althea HONDA Team / Honda CBR1000RR)
RT) E. Laverty (BMW Motorrad WorldSBK Team / BMW S1000 RR)
RT) C. Ponsson (Nuova M2 Racing / Aprilia RSV4 1000)
RT) S. Barrier (Brixx Performance / Ducati Panigale V4 R)
RT) T. Takahashi (MIE Racing Althea HONDA Team / Honda CBR1000RR)

WorldSSPクラス レース2

ライダーはレース1とほぼ同様のタイヤを選択。スタンダードSC0リア、スタンダードSC2フロントが再び選ばれた。ウォームアップ中にレッドフラッグが発生、これによってレーススタートが遅れ、レースが11周に短縮された。

スタートではロカテリがレースをリード、ジュールズ・クルーゼル、フィリップ・エッテルを従える展開。ロカテリがレースをリードするなか、クルーゼルとマヒアスのバトルが加速。優勝したのはロカテリで、2位にクルーゼル、3位マヒアスとなった。

1) A. Locatelli (BARDAHL Evan Bros. WorldSSP Team / Yamaha YZF R6)
2) J. Cluzel (GMT94 Yamaha / Yamaha YZF R6)
3) L. Mahias (Kawasaki Puccetti Racing / Kawasaki ZX-6R)
4) P. Oettl (Kawasaki Puccetti Racing / Kawasaki ZX-6R)
5) R. De rosa (MV Agusta Reparto Corse / MV Agusta F3 675)
6) C. Perolari (GMT94 Yamaha / Yamaha YZF R6)
7) I. Viñales (Kallio Racing / Yamaha YZF R6)
8) S. Odendaal (EAB Ten Kate Racing / Yamaha YZF R6)
9) H. Soomer (Kallio Racing / Yamaha YZF R6)
10) M. Gonzalez (Kawasaki ParkinGO Team / Kawasaki ZX-6R)
11) D. Webb (WRP Wepol Racing / Yamaha YZF R6)
12) C. Öncü (Turkish Racing Team / Kawasaki ZX-6R)
13) A. Carranza (EMPERADOR Racing Team / Yamaha YZF R6)
14) F. Fuligni (MV Agusta Reparto Corse / MV Agusta F3 675)
15) A. Verdoïa (bLU cRU WorldSSP by MS Racing / Yamaha YZF R6)
16) G. Hendra Pratama (bLU cRU WorldSSP by MS Racing / Yamaha YZF R6)
17) L. Epis (MPM Routz Racing Team / Yamaha YZF R6)
18) L. Cresson (OXXO Yamaha Team Toth / Yamaha YZF R6)
19) L. Montella (DK MOTORSPORT / Yamaha YZF R6)
RT) P. Hobelsberger (Dynavolt Honda / Honda CBR600RR)
RT) H. Okubo (Dynavolt Honda / Honda CBR600RR)
RT) A. Bassani (Soradis Yamaha Motoxracing / Yamaha YZF R6)

WorldSSP300クラス レース2

週末最後のイベントとなったWorldSSP300ではバハティン・ソフォーグルが優勝。2位にアナ・カラスコ、3位トム・ブース・アモスとなった。

WorldSBKスーパーポールレースにおけるライダーのタイヤ選択


スーパーポールレースではほぼ全てのライダーがスタンダードSC1(オプションB)をフロントに使用、アルヴァロ・バウティスタのみがSC2ミディアムソリューションを使用した。(オプションC)リアは多くのライダーがスタンダードSCX(オプションA)を使用。ホンダのバウティスタ、ハスラム、BMWのサイクスがSC0(オプションB)を使用している。

WorldSBKレース2におけるライダーのタイヤ選択


レース2ではピレリ(Pirelli)のスタンダードタイヤが素晴らしいパフォーマンスを発揮。フロントはバウティスタ以外のライダーがスタンダードSC1ソフトコンパウンド(オプションB)を使用。バウティスタはSC2ミディアムを引き続き使用している。リアはスタンダードSC0(オプションB)が多数を占め、メランドリ、ロウズなどがSCX、レイがX1351 SC0デベロップメントタイヤを使用した。

WorldSSPレース2におけるライダーのタイヤ選択


WorldSSPのレース2では全てのライダーが昨日のタイヤを選択し、スタンダードSC0をリアに使用。フロントには22人中12人の選手がスタンダードSC2を使用した。残りはスタンダードSC1を使用している。

スーパーポールレースにおけるデータ

・ピレリ(Pirelli)ベストラップアワードはジョナサン・レイが2周目に記録した1’39.186
・最も使用されたフロントタイヤはスタンダードSC1(23名中22名)
・最も使用されたリアタイヤはスタンダードSCX(23名中20名)
・ソリューションの数はフロント5種類、リア8種類
・ライダーごとに使用可能だったタイヤ本数は68本で、フロント32本、リア36本
・気温29℃
・路面41℃

WSBKレース2におけるデータ

・ピレリ(Pirelli)ベストラップアワードはスコット・レディングが2周目に記録した1’40.545
・最も使用されたフロントタイヤはスタンダードSC1(23名中22名)
・最も使用されたリアタイヤはスタンダードSC0(23名中19名)
・ソリューションの数はフロント5種類、リア8種類
・ライダーごとに使用可能だったタイヤ本数は68本で、フロント32本、リア36本
・気温38℃
・路面60℃

WorldSSPレース2におけるデータ

・ピレリ(Pirelli)ベストラップアワードはアンドレア・ロカテリが2周目に記録した1’43.498
・最も使用されたフロントタイヤはスタンダードSC2(22名中12名)
・最も使用されたリアタイヤはスタンダードSC0(22名中22名)
・気温34℃
・路面50℃

(Source: Pirelli)

(Photo courtesy of Pirelli)