レースディレクターのマイク・ウェッブは土曜日にプレスカンファレンスを開き、トラックリミットについてルールを明確にした。今年のMotoGPはトラックリミット超過によるルールがわかりにくく、ペナルティーを受ける選手、受けない選手がいたりアンフェアだと問題視されていた。

トラックリミット超過でアンフェアにならないことが目標

マイク・ウェッブ

「トラックが変わり、トラックリミットの超過が発生するごとにルールを進化させてきました。これはトラックリミット超過によるアンフェアな出来事が発生しないようにすることを目標としています。」

「今までトラック上で芝だったところはアスファルトのランオフエリアとなっていますが、ペイントが施されているだけですから、ライダー達はこのエリアを使用して走行することが可能です。そして我々レースディレクターがこれを監視しているんです。」

「このルールの考え方はテニスのイン/アウトのようなものです。つまり、予選を含むあらゆる練習走行において、両輪がトラックリミットを超えた場合、自動的にラップタイムはキャンセルとなります。」

レースにおけるトラックリミットの考え方

「レースではミスの発生は有りえますから、トラックリミットを超えること自体でペナルティは課しません。しかし何度もトラックリミットを超えている、そこで明らかにアドバンテージを得ている場合はペナルティー対象となります。」

「アドバンテージを得ていない場合はペナルティー対象ともしませんし、レース中にライダーに許可されている回数のミスとしてもカウントしません。トラックリミットを超えた回数が3回であれば警告、5回となるとペナルティーとなります。そしてこの場合のペナルティーはロングラップペナルティーとなります。」

1周目におけるトラックリミットの考え方

「1周目に関しては混戦の中でターン1で押し出されることが多いわけですが、こうしてトラックリミットを超えたとしても、そこでアドバンテージが発生することはありません。しかしこの例外は1周目のみです。」

最終ラップにおけるトラックリミットの考え方

「最終ラップについてはバトルの結果としてアウト側に押し出されたライダーは、コースアウトしなかったライダーと比較して明確な不利益を被りますが、もしコースアウトしたことで明確な不利益を被っていない場合は、ポジションの入れ替え、ペナルティー適用となります。」

「トラックリミット超過によるペナルティーを与える場合、ビデオイメージなど明確な証拠を元にペナルティーを実施します。これに加えてハイスピードカメラが設置され、画像認識ソフトウェアを使用しています。これらを監視することで、どのバイクがどういった挙動をしたのかが明確になります。」

(Photo courtesy of michelin)