ミシュラン、シーズン最終戦で新たなチャレンジ

2020 年 MotoGPTMシーズンにおけるミシュランの最終レース、ポルトガル・グランプリは選手権初開催となるポルトガルのポルティマオ近郊に位置するアルガルヴェ・インターナショナル・サーキットが舞台となります。全長 4,592m のこのサーキットは 2008 年にオープン。同じ年に World SBK レースが最初のメジャーイベントとして行われ、以来スーパーバイク世界選手権の開催サーキットとして定着しています。

9つの右コーナーと 6 つの左コーナー、そして約 1 kmのストレートで構成されており、ターン 1 への下り坂は多くの人たちから「高速ジェットコースター」と呼ばれています。また複合施設としてレースコースに加えてカートコース、オフロードパーク、ホテル、集合住宅、そしてスポーツセンター等が備えられています。サーキットは 10 万人の収容が可能ですが、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策により MotoGP 初レースは無観客での開催となります。

ポルトガル・グランプリは新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、今年は欧州圏外のレースを開催しないことが確認された後にスケジュールに追加されました。そのためミシュランは最新のコースを知るためにここ、アルガルヴェ・インターナショナル・サーキットでテストを実施しています。このテストはフルタイムの MotoGP ライダーがレギュレーション違反にならないよう、市販用スリックタイヤである Michelin Power Performance を装着したストリートバイクに乗り、テストライダーが MICHELIN Power Slick を装着した MotoGP マシンに乗り行われました。

サーキットが全面的に再舗装された直後に実施したため、ミシュランの技術者とタイヤ設計者はサーキットの路面とレイアウトの要求に合致する最も理想的なコンパウンドの選択を可能にする多くのデータを収集することができました。

これらの情報に基づいてミシュランはこのサーキットに適した通常の 3 種類ではなく、レギュレーションで認められる4 種類のコンパウンドで構成した MICHELIN Power Slick のレンジを準備しました。フロントに左右対称設計のソフト、ミディアム、ハードに加えて、右側をよりハードにした左右非対称仕様の第二のハードコンパウンドが含まれます。

リアについてはコーナーの多い右側を強化した左右非対称設計のソフト、ミディアム、そしてハード、さらに左右対称設計の第二のハードを用意しています。11 月のアルガルヴェは一般に気温と気象条件はともに穏やかですが、大西洋に近い場所に位置していることから時に雷雨や雨となる可能性が常にあります。MICHELIN PowerRain は、フロントが左右対称設計のソフトおよびミディアム、リアは左右非対称設計のソフトおよびミディアムが供給されます。

ミシュランは 11 月 20 日金曜日、最初のフリープラクティスセッションから走行を開始します。このサーキットで初走行を行う MotoGP ライダーたちのために、セッションは 70 分に延長されます。午後のフリープラクティスも同様に延長されます。

土曜日のセッションは通常の形式に戻り、公式予選が午後に行われ、スターティンググリッドが決定します。25 周で争われる 2020 年シーズンの最後のレースは、現地時間 14 時 00 分、日本時間 23 時 00 分にスタートします。

ミシュランモータースポーツ 2 輪マネージャー:ピエロ・タラマッソ

「まったく新しいサーキット、そしてそこでのチャレンジで今シーズンを締めくくるというのはエキサイティングな流儀ですね。私たちは新しいサーキットに赴く時はいつも興味が湧きますし、張り詰めた時間を過ごします。今回、私たちは実際のレース情報が無い中、テストデータだけの少々手探り状態でレースに臨まなくてはなりません。とはいえ、MotoGP ライダーたちが量産バイクに乗り、テストライダーが MotoGP マシンに乗って実施したテストは、非常にポジティブな内容となりました。

私たちはすべてのライダーとすべてのバイクから収集したデータを基に最適なコンパウンドを選択しました。そしてサーキットは目を見張るほど素晴らしく、私たちはレースを楽しみにしています。シーズン最後のレースを無観客で行うというのは残念ですが、現在の状況ではそれを受け入れなければなりませんし、ご自宅でレースをご覧のすべてのファンの皆さんに、この極めて特別な今シーズンを締めくくる本当に素晴らしいレースをお贈りするためミシュランはできる限りのことをします」
ポルトガル

(Source: michelin)

(Photo courtesy of michelin)