ミル、ホンダへの信頼と復活への手応え

ジョアン・ミルは、過去2年間に渡って自信を失いかけながらも、競争力を取り戻すためにはこの困難が必要な過程だったと語る。今はレースを「こなす」のではなく、再び「戦える」ことにモチベーションを感じており、徐々にトップ5圏内のペースを維持できるようになってきたことに手応えを得ている。

ホンダとの苦しい時期を経てなお、プロジェクトへの信頼は揺らいでおらず、バイクのパッケージにはまだ課題が残るが、トップスピードとリアグリップの改善に集中すれば、比較的早期に戦闘力を取り戻すことも可能ではと語る。

ジョアン・ミル

「過去2年間同じことを言い続けて来ましたし、自分が何をしているか、している事に関しての自信も失っていました。ただ、こうした状況は再び競争力を取り戻すために必要な過程だったと思いますね。現時点ではゴールを達成したとは言えませんが、競争力を取り戻しつつあります。これは本当に嬉しいことです。」

「レースをしっかりと出来ることが嬉しいですね。今まではレースをしているというよりは、そこに“いる”だけでしたから。こうしてレースが出来ていることに対してモチベーションを感じます。」

「自分たちは世界のトップレベルで戦っていますし、自分も厳しい状況を経験しています。こうして努力を続けることが意味あることなのかと考えることもありますが、自分を助けてくれるのは家族であり、家でのトレーニングであり、チーム、周囲の環境であったりします。ホンダは常にサポートしてくれますし、それが心強いですね。」

「自分がホンダのプロジェクトに対して持っている信頼感を語れる人はいないでしょう。ホンダで厳しい時を過ごしてきていますが、それでも信じることを諦めていません。ホンダのアプローチを見ると自分はホンダでまだまだ頑張ろうと思えるんです。まだ自分は若いですし、これからも時間があります。」

「これからの2年間があると考えると、2年後の終わり頃には戦闘力を取り戻せているんじゃないかと思っているんです。その時がくればホンダにとどまったことが正しい選択肢だったと思えるでしょう。」

「昨年は本当に難しい状況でした。テストでは大きく改善することを期待していましたが、実際は全く改善が感じられませんでした。しかしシーズンがスタートするとホンダの努力が徐々に見えてきましたし、バイクの変化を感じることが出来るようになってきました。」

「再びバイクに乗ることを楽しめるようになっているんです。まだ調整が必要な部分はありますし、自分も転倒が多い状況です。しかし重要なのは競争力が戻りつつあることです。」

「ペース面で言えばトップ5付近で走行出来ていますが、レースの中でバトルをしていくという意味では、トップスピード、リアグリップなどが不足しています。全体的なパッケージが完成されているとは言えないんです。しかしこの2点にしっかりと集中して挑めば競争力を比較的早く取り戻せると思っています。」

「トップ5に接近していると思いますし、その位置で走行出来るようになれば表彰台が見えてきます。まずはトップ5を目指すことですね。今は将来が楽しみですね。」

(Photo courtesy of michelin)