序盤はミディアムタイヤをセーブし、後半に追い上げて2位を獲得したペドロサ選手。ビニャーレス選手を抜くのに苦戦したということですが、ハード、ソフトを履く前の選手達のペースがどう変わっていくのかの見極めが難しかったと語ります。ロッシ選手を抜いた後に手を上げていたのは、ロッシ選手の幅寄せへの抗議だったようですね。

Q

「ホームの観衆の前でのレースは素晴らしいものでしたでしょう。多くの人が語っていたと思いますが、もう少し早めにビニャーレスを抜く事が出来ていれば、マルケスを捉えることも出来たのでは?」

アラゴンGP2位 ダニ・ペドロサ

「確かにレースが終わった後であれば、自分がマーベリックを早めに抜いていれば優勝争いが出来たと言うのは簡単でしょう。ただ今回は優勝争いをすることが目標でしたし、今週末は常に戦闘力を発揮出来ました。確かにマーベリックをもう少し速く抜いていればという後悔はありますが、逆に言うとあれ以上は出来なかったというのも事実なんです。ミディアムタイヤで最後に追い上げる走りをするには、序盤にタイヤをセーブする必要があったんです。ですからアグレッシブに攻めて走るということが出来なかったんですよね。」

「マーベリックも同様にミディアムタイヤだったと思いますが、彼も同様の戦略だったと思うんです。なぜ先頭集団との間にあそこまでの差が出来たのかわかりませんが、マーベリックはストレートで速く、コーナーの中でも速かったのでオーバーテイクが難しかったんです。また序盤は燃料が満タンの状態で、ブレーキング時に適切なフィーリングを感じる事が難しかったんです。ですからこういう結果になったわけですけど、最終的な内容に関しては満足ですね。それに今回は素晴らしいオーバーテイクをすることも出来ていたと思います。レースも最後まで非常に熱いものでしたしね。チーム、そして自分にとってポジティブなレースでした。」

 

Q

「ある意味混乱したMoto3のようなレースでした。バックストレートではバレンティーノ・ロッシと非常に接近していましたが、あのオーバーテイクに関してはいかがですか?」

ダニ・ペドロサ

「あれは彼の後ろからスリップストリームを利用していたわけなので、彼は自分がどこから来るかわからなかったと思います。彼が自分の位置を確認出来た時には、既にかなり接近していましたから。ただ、あの状態から彼は自分をさらにアウト側に押しやるようなラインを選びました。300km/hで走行している中でハンドルバーが非常に接近していて、自分はラインに乗ってしまったんです。ああいった事をする必要はないと思います。あれはちょっとやり過ぎでしょう。ただ、自分は十分なスピードがあったのでそのまま彼をオーバーテイクする事が出来ましたけどね。」

「非常に楽しいレースだったと言いましたけど、ある意味ではあまり楽しいとも言えないレースでした。フロントのグループをソフトリアのロレンソがリードしていて、同じくソフトリアのドヴィもいて、マルクがハード、バレもハード、そして全員のペースが同じだったんです。こういうのは普通ではないんですよ。普通はソフトのほうが序盤にペースがあって、ハードは良いペースで走るのに苦戦するものなんです。そして最後にソフトタイヤのほうが最後まで保たないわけですから。ですから今回は、誰のペースが落ちて、誰のペースが最後まで変わらないのかというのを予測するのが難しかったんです。で、自分はミディアムを使用していてタイヤを温存して走っていたわけです。ですから、どのタイミングでアタックをするべきかというのを決めるのが難しかったんです。ようやくマーベリックを抜いて、残り13周だとか10周だとかになっていた時に、アタックしなきゃ駄目だと思ってアタックしたんです。」

 

Q

「次のもてぎはホンダにとってもホームとなるレースですが、いかがですか?」

ダニ・ペドロサ

「前回は転倒してしまったので、今回は良いレースが出来るといいですね。」