63ポイントのリードを獲得してオーストリアを迎えることになったマルケス。最高峰クラス50勝、全クラスで76勝とし、マイク・ヘイルウッドの記録と並んだ。こういった難しいコンディションの中でも他のライダーとの違いを生み出しており、後半戦も独り相撲が続きそうな予感だ。

マルク・マルケス

「嬉しい結果です。夏休みの後にこうして優勝出来ました。ブルノは通常苦戦しており、ドヴィツィオーゾがポイントを獲得してくるという予想をしている中でポイントのリードを伸ばすことが出来ました。これが最も重要なことです。今回はレース前から戦略を決めていましたが、ウォームアップのフィーリングが良くなかったため、完全に新しいバイクで出走したので不安がありました。チームは問題を把握して完璧なバイクを用意してくれました。」
「今日はリアがソフトだったので序盤から最後までプッシュすることにしていました。タイヤの摩耗についてはわかりませんでしたが、それは最後になんとかしようと思っていました。これはヤマハのライダー達が皆グリッド後方からのスタートだったことが要因です。ドヴィツィオーゾが後ろにいるのもわかりましたが、自分のタイヤが摩耗するころには彼のタイヤも摩耗していると思い飛ばしていました。残り11周くらいでタイヤのグリップが落ちてきましたが、ドヴィツィオーゾのほうが少し先にグリップが無くなったようで、これで大きな差が出来ましたね。」

ポイント上のリードが大きいとリラックスしてレースに挑むことが出来ます。今回もレース前はリラックスしていて、何かが起きてもまだアドバンテージは大きいと感じることが出来るんです。今回レースを遅らせたのは正しい判断でした。時にはリスクを冒すことが自分にとってメリットになるか考えることが必要ですが、今回すぐにレースをするのは無理でした。」
「今年は昨年よりもレースを良い形でコントロール出来ていると感じます。昨年はアタック出来る時は序盤から飛ばしていき、難しい時はずっとドヴィの後ろでした。ドヴィはいつもダイヤをコントロールして最後にプッシュするという方法を取っていました。それもあって昨年は多くレースで大きな集団が出来ていたんです。今年は自分は序盤からプッシュするスピードがあるので、そうしているんです。ポール、優勝回数など記録が伸びていきますが、今まで同様にレースを続けていきたいと思います。」

「ドヴィが話していたように残り10周で再びプッシュを始めたんです。序盤にプッシュして集団を分断して、その後もう一度プッシュをしようと思っていました。この2度目のプッシュの段階ではハードにブレーキを掛ける時は、両輪でスライドしないとフロントから転倒してしまいます。時にはこういった形でリスクを冒すことが大きな違いを生み出すことになるんです。ピットボードを見ながらドヴィのタイムも落ちていましたしね。」

「今回はリスクを冒して走る中でしっかりとセーブが出来ましたけど、次回はセーブ出来ないかもしれません。ここまで大きなアドバンテージがあるので、こういったリスクを冒すことが出来ているんです。」

(Source: HRC)

(Photo courtesy of Michelin, HRC)