今回のレースでは新型のカーボン補強フレーム、スプーン、新しいエアロダイナミクスフェアリングを使用したマルケス。全てのパーツの性能を出し切って、リアタイヤの選択を間違えたとはいえドヴィツィオーゾと素晴らしいバトルを展開。惜しくも優勝を逃した。

最後に接触はありましたけど、互いにリスペクトしあう中で素晴らしいバトルでした。リアタイヤの選択を間違えたとは言え、ドヴィツィオーゾは凄いレースをしました。最後の6周、7周はドヴィツィオーゾは力を抜いて走っていて、ストレートでは完全にスピードをコントロールしていました。」

「今日はドヴィツィオーゾのほうが加速とグリップが良く、自分のほうがブレーキングで有利でした。限界域で走行してはいますが、クレイジーなことはしていません。今日は余裕がなかったのもあって、フロントで走りました。彼に対して最後にアタックする余力はなかったんです。こういう形で苦戦しつつも、ドヴィツィオーゾと最後までバトルすることが出来ました。これがチャンピオンシップにおいて重要なんです。」

「1周目からリアグリップが低いことがわかっていたんですが、ターン3でドヴィツィオーゾがブレーキングで仕掛けてきて、彼がブレーキングを遅らせるなら自分も対抗して遅らせてやると思っていたら、膨らんでしまい立ち上がりでウイリー、さらに多くの選手に抜かれました。その後ドヴィツィオーゾに追いついてバトルになりましたが、ペース自体はドヴィツィオーゾのほうが上でした。」

「フロントタイヤに関しては問題はなくて、全てのタイヤが同じように機能したためタイヤ選択が難しかった印象です。ブルノでドヴィツィオーゾはリアにミディアム、自分がソフトで良いペースで逃げ切ることが出来ました。今日は逆で、自分がミディアム、ドヴィツィオーゾがソフトでした。」

「今日は優勝を狙っていましたが、ドヴィツィオーゾが強いとわかっていました。今日も懸命に走りましたが結果的には2位でした。でも、1つのレースで負けても人々が覚えているのはチャンピオンシップで優勝したのは誰か?ということです。

「最後のアタックでは彼に抜かれた後、自分もバイクを止めてクロスラインで抜けるかもと思っていましたが、それが可能なスピードではありませんでした。でもフロントフェンダーが彼のバイクか彼のレザスーツに当たったことでラインがワイドになりました。転倒するかと思いましたが、接触した何かが吹っ飛んでいったので接触を避けることが出来ました。」

「タイヤは昨日のFP4ではミディアムのほうが機能しました。気温はFP4のように上がっていったので、ソフトを考えていましたがミディアムを選択したんです。ミディアムならば終盤に有利と思っていましたが裏切られましたね。」

「今回は金曜のフィーリングが良かったので新型フレームを使用していますが、シルバーストーンで再び比較を行います。今回は長所が短所を上回ったんです。また、新型のスプーン(スイングアーム下のベロ形パーツ)とエアロダイナミクスフェアリングも使用しています。スプーンはブレーキングでダウンフォースが少し助けとなり、エアロはウイリー抑止に効果があります。こうした助けもあってドヴィツィオーゾについていけたんです。」

(Source: HRC)

(Photo courtesy of michelin)