トップスピード不足が度々指摘されるヤマハだが、ロッシはV4のほうが確かにトップスピードに優れる可能性があると語る。しかし同時に直4であってもエンジン性能を磨き上げれば互角に戦えるはずとしている。また、自身のDucatiでの体験を語り、ザルコのKTM離脱についても理解を示した。

バレンティーノ・ロッシ

「ブルノから良いレースが続いています。オーストリアでもさらに前進が出来たと思います。レースでも大きく前進が出来ています。オーストリアはデータ上はヤマハが最も苦手とするトラックですが、この良い流れを維持していきたいと思います。」

「シルバーストーンは広く、長く、高速でテクニカルです。誰もが新しい路面を楽しみにしているでしょう。バンプが減りグリップが向上していれば最高ですね。天候も当然気になりますが、2017年は最高の天候。2018年は酷い天候でした。2017年と同じ天候でレースが出来ることを願っています。」

「シルバーストーンでは過去に良いレースをしています。今回は表彰台が目標です。トップスピードは劣るものの、オーストリアではさらにスピードが重要となるはずですが、良いレースが出来ています。バイクにフィーリングを見つけ、良いバランスを見つけて日曜に挑みたいと思います。」

V4と直4は、それぞれに良い点と悪い点があります。これについてはヤマハと過去に話し合っていますが、現時点で速いホンダ、Ducati2つのバイクは両方ともにV4です。しかしヤマハは直4でもV4に勝てると思っています。スズキも直4でスピードを発揮していますよね。データ上は直4のほうがコーナリンに優れ、トップスピードで劣るかもしれません。」

ヤマハは今のこのエンジンを磨き上げることが必要です。異なるシーズンではヤマハのバイクにもスピードがありました。ポテンシャルはあるはずですから、直4の性能を使い切れば最後は互角になると思います。

「Ducatiに移籍した時はDucatiも自分も大きな希望を持っていました。しかし実際にはバイクから良いフィーリングを感じられず、特にフロント周りに問題がありました。これはザルコも同様だと思いますが、バイクに乗っていて楽しくないと、モチベーション、ポジティブさもなくなってしまうんです。

レースに向けて家を出るのも、飛行機に乗るのも、ジャーナリストと話をするのも苦痛で、夜も眠れずという状況になってしまいます。自分もDucatiを途中で辞めようと何度も思いました。ただ、自分の場合はDucatiを辞めずに正解でした。途中で辞めても乗るバイクもありませんし、MotoGPから離れてしまう可能性もありました。」

「Ducatiに残ったことでその後ミサノで表彰台を獲得出来ましたしね。ザルコには大きなチャンスがあると思いますが、来年のシートはMotoGPにありません。いずれにしても今回のことは彼自身の決断だったということです。」

(Source: yamaha-racing)

(Photo courtesy of michelin)