決勝レース前は弟のアレックス・マルケスのMoto2タイトル獲得を見て大きなモチベーションをもらったマルケス。11番グリッドから素晴らしい追い上げて2位を獲得し、優勝、2位の記録をさらに伸ばした。ライバルが必死で戦う中でも、タイヤチョイスはチームに任せて走行出来るほどの余裕があったということだ。

マルク・マルケス

「今日は弟のタイトル獲得も嬉しいですが1周目が素晴らしかったと思います。ただ、1周目に関しては自分だけではなくドヴィツィオーゾもものすごいラップでした。まるでロケットのようでしたね。自分はターン1で良い位置で走行できたと思います。今日はマーべリックが最速のペースを持っていましたから、マーべリックに追いつきさえすれば、彼についていくことができると思っていました、でもジャックとバトルをする中で、かなりの時間を失ってしまったんです。」

「今日はマーべリックが最速の選手で、そういうときの彼に追いつくのは無理なんです。今日は2位で完走できればと思っていましたが、レースの途中でマーベリックに追いつくことができたんです。しかし、その後2にターン7、8で大きなミスをしてしまいトラックの外に出てしまいました。再び今シーズン最悪の結果となる2位を獲得することができましたので、またこの素晴らしい記録を重ねることができました。」

アレックスのことは本当に誇りに思います。彼は常に自分と比較されるので非常に難しいと思うんですが、その中で素晴らしい走りをしたと思います。レース前には彼に”とにかくSNSは見るな”と言っておいたんです。SNSは時には良いんですが、悪い影響を及ぼすこともあります。ですから今日は、ひたすら自分の走りに集中していけと話していたんですよ。彼は”マルク・マルケスの弟”ではなく、アレックス・マルケスという選手なんです。」

「今朝起きた時は体中が痛くて、弟のレース後の祝賀までは調子が悪かったです。彼のタイトル獲得を祝う中で、膝の痛みや手首の痛みそういったものは全て忘れて全力で祝いました(笑)そのせいか、レースの中では腕上がりが発生していたんですが、自分はレースが始まるとすべてのスイッチを切ってレースに集中します。それにレースする以上、そういったものは全て言い訳になりません。今日はアレックスのタイトル獲得で長い夜になると思いますので、なんとしても表彰台で、良い形でレースを終えたいと思っていたんです。」

「しかし今日は同時に悲しい日でもあり、インドネシア出身の若いライダーが亡くなりました。彼はアストラホンダで走っていましたから自分も彼のことをよく知っているんです。ですから、ここにいる皆がこのスポーツのリスクをしっかりと理解していくことが大切だと思います。ただ、そのリスクの先に優勝やタイトル獲得の喜びがあるわけで、彼もこういった喜びを獲得するためにリスクをかけていたわけですから、今日は彼の分も祝いたいと思います。

「今日は非常に暑かったのでリアタイヤをどのタイヤにするかというのは非常に難しい選択でした。自分はミディアムリアを履こうと思っていたんですが、チームはソフトタイヤを履くべきだと言っていました。ですので自分とチームの間で、どのタイヤにすべきかということで決めかねていたんです。ですから自分は「ライダーズタイトル、コンストラクターズタイトルは獲っていて、残るはチームタイトルだけだから、君等が選んでくれ、それが間違っていたら健男(テクニカルマネージャー)、君の責任だよ(笑)」と言ったんです。結果的には目標であった2位を獲得出来たので正解だったということですよね。」

「今日は終盤にストレートでもタイヤがスピンしてしまっていて、5速でもうねりながらストレートを走っていました。そのせいで燃料を消費してしまい、最後に燃料が切れてしまったんですが、通常こういったことがあってもレースでは問題ありません。来季はスピードという意味ではヤマハが今シーズン後半からのスピードを引き継いでいくと思いますが、ドヴィツィオーゾは常にコンスタントです。ですから来年に向けては改善が必要なんですが、苦戦しつつも後半戦も2位を獲得出来てはいます。」

「ペトロナスSRTは非常に良いチームで才能ある若手が2人いるわけですが、予選ではスピードを発揮出来ても、レースとなると経験が足りないのかもしれません。クアルタラロも予選でポールポジション獲得を祝福していましたが、今日は何か問題があったのかもしれませんね。」

(Source: HRC)

(Photo courtesy of michelin)