マルク・マルケス(Ducati Lenovo Team)が、アレックス・マルケス(BK8 Gresini Racing MotoGP)の猛追を振り切り、2025年シーズン2勝目となるティソ・スプリント勝利をアルゼンチンのテルマス・デ・リオ・オンドで飾った。フランチェスコ・バニャイア(Ducati Lenovo Team)は3位でフィニッシュし、貴重なポイントを獲得。昨年のチャンピオンはトップから3.8秒遅れでのゴールとなった。

ポールポジションから完璧なスタートを決めたマルク・マルケスは、ホールショットを獲得。アレックス・マルケスが続き、バニャイアが3番手に浮上。ヨハン・ザルコ(LCR Honda CASTROL)は1列目スタートながら出遅れ、6番手で序盤を迎えた。

1周目では、ブラッド・ビンダー(Red Bull KTM Factory Racing)がフランコ・モルビデリ(Pertamina Enduro VR46 Racing Team)との接触で転倒。ビンダーのチームメイト、ペドロ・アコスタが4番手に浮上し、ファビオ・クアルタラロ(Monster Energy Yamaha MotoGP)を抑えた。一方、マルケス兄弟は序盤からペースを上げ、他を引き離していく。

4周目時点で、アレックスはマルクの0.2秒後方、バニャイアはトップ争いから1.3秒遅れ。アコスタはザルコに追われながらも4番手を維持していた。レース中盤、アレックスは兄マルクを逃さず、二人は1分37秒台の同等ペースで周回。バニャイアはやや遅れ、1分38秒台に後退。マルケス兄弟によるスプリント勝負が確定的となった。

残り4周、兄弟の差は0.371秒。アレックスはややペースに苦しみ、残り2周では差が0.721秒まで拡大。最終ラップ、マルクはミスなく走り切り、0.903秒差でトップチェッカーを受けた。これで今季3勝目、土曜日スプリントでは2連勝となった。アレックス・マルケスは2位でフィニッシュし、表彰台を獲得。バニャイアは3位で終わったが、チャンピオン争いに向け重要なポイントを積み上げた。

マルク・マルケス(SPR:優勝)

「アレックスが後ろからプッシュしていたので厳しいレースでした。ただレースペースは非常によくて37秒台で走行が出来ました。それ以上プッシュしてもアレックスとの差は開きませんでしたので、最終ラップまでプッシュしました。最後はアレックスのペースが落ちたようですが、明日はアレックスもコンスタントなので厳しい戦いになるでしょうね。」

アレックス・マルケス(SPR:2位)

「良いレースでした。マルクの後をずっとついていくレースでしたが、まるで2人でトレーニングをしている時のようでしたね。最後はかなり限界に近くペッコとのギャップもあったので2位に甘んじることにしました。マルクは最後まで非常に速かったです。メインレースでも良い走りをしたいと思います。」

フランチェスコ・バニャイア(SPR:3位)

「ベストを尽くしてギャップを縮めようとしましたが、マルケス兄弟に戦うには十分ではありませんでした。現時点では彼らのほうがスピードがあるということですから、この状況に対応していく必要があります。今はこの観衆の声を楽しみたいですね。明日はさらに良いレースをしたいです。」

スプリントレース結果

順位ゼッケンライダー名メーカータイム
1位12マルク・マルケスDUCATI19’37.331
2位9アレックス・マルケスDUCATI19’38.234
3位7フランチェスコ・バニャイアDUCATI19’41.190
4位6ヨハン・ザルコHONDA19’42.357
5位5ファビオ・ディ・ジャンアントニオDUCATI19’43.782
6位4マルコ・ベッツェッキAPRILIA19’44.664
7位3フランコ・モルビデッリDUCATI19’45.699
8位2ジョアン・ミルHONDA19’48.189
9位1ペドロ・アコスタKTM19’48.560
10位20ファビオ・クアルタラロYAMAHA19’49.687
11位43ジャック・ミラーYAMAHA19’52.532
12位42アレックス・リンスYAMAHA19’52.629
13位10ルカ・マリーニHONDA19’53.984
14位23エネア・バスティアニーニKTM19’55.773
15位79小椋 藍APRILIA19’55.949
16位25ラウル・フェルナンデスAPRILIA19’56.891
17位35ソムキャット・チャントラHONDA19’58.256
18位12マーべリック・ビニャーレスKTM19’58.618
19位54フェルミン・アルデゲルDUCATI20’22.656