2025年MotoGP第3戦アメリカズGP(金曜フリー走行1)は、雨に見舞われたオースティンのCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)で波乱の幕開けとなった。優勝候補の一角、マルク・マルケス(Ducati Lenovo Team)はウェット路面に足元をすくわれ、今シーズン初の転倒を喫した。一方で、アルゼンチンGPで表彰台に立ったばかりのフランコ・モルビデリ(Pertamina Enduro VR46 Racing Team)が好調を維持し、セッション最速タイムを記録した。

マルケス転倒、波乱のスタート

タイトル争いの中心にいるマルケスは、開始6周目でターン2にてハイサイド転倒。バイクは損傷し、本人は無事だったものの、マシンはフラットベッドでピットへ回収された。その後、残り15分で再びコースインし、最終的には4番手に浮上する底力を見せた。

モルビデリが独走、VR46で首位発進

フランコ・モルビデリは一貫して安定した走行を見せ、FP1の終盤に最速ラップを記録。ジャック・ミラー(Prima Pramac Yamaha MotoGP)がそれに続き、独立チーム勢が上位を占めた。ヨハン・ザルコ(CASTROL Honda LCR)も調子を取り戻し4番手、昨年のCOTAで注目を集めたペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Factory Racing)は5番手につけた。

バニャイア、ビニャーレスも上位キープ

フランチェスコ・バニャイア(Ducati Lenovo Team)は断続的にトップタイムを記録する場面も見られ、最終的に6番手。アレックス・マルケス(BK8 Gresini Racing)も続いた。マーベリック・ビニャーレス(Red Bull KTM Tech3)はオレンジカラーでのベストセッションを披露し9番手、ミゲル・オリベイラの代役オーガスト・フェルナンデス(Prima Pramac Yamaha)は10位と健闘した。

ベッツェッキはトラブル続出で20位に沈む

アプリリア勢にとっては苦しいセッションとなり、マルコ・ベッツェッキ(Aprilia Racing)は2台のマシンで計3回のテクニカルトラブルと1度の転倒に見舞われた。ピットには明らかな不満の空気が漂い、セッション最下位争いの20番手で終了。チームメイトのラウル・フェルナンデス(Trackhouse MotoGP Team)は17番手、新人の小椋藍は初のウェットセッションに苦戦し22位となった。

アメリカズGP FP1結果

順位ゼッケンライダー名メーカータイム最高速度
1位21フランコ・モルビデッリDUCATI2’12.531323.5km/h
2位43ジャック・ミラーYAMAHA2’12.614323.5km/h
3位93マルク・マルケスDUCATI2’12.780326.5km/h
4位5ヨハン・ザルコHONDA2’12.838323.5km/h
5位37ペドロ・アコスタKTM2’13.275326.5km/h
6位63フランチェスコ・バニャイアDUCATI2’13.290329.6km/h
7位73アレックス・マルケスDUCATI2’13.314324.5km/h
8位12マーべリック・ビニャーレスKTM2’13.483327.5km/h
9位33ブラッド・ビンダーKTM2’13.638329.6km/h
10位7アウグスト・フェルナンデスYAMAHA2’14.148321.5km/h
11位36ジョアン・ミルHONDA2’14.257319.6km/h
12位10ルカ・マリーニHONDA2’14.277320.6km/h
13位54フェルミン・アルデゲルDUCATI2’14.528319.6km/h
14位20ファビオ・クアルタラロYAMAHA2’14.531325.5km/h
15位23エネア・バスティアニーニKTM2’14.739325.5km/h
16位49ファビオ・ディ・ジャンアントニオDUCATI2’14.922325.5km/h
17位25ラウル・フェルナンデスAPRILIA2’15.445322.5km/h
18位42アレックス・リンスYAMAHA2’15.480320.6km/h
19位72マルコ・ベッツェッキAPRILIA2’15.682325.5km/h
20位35ソムキャット・チャントラHONDA2’15.959324.5km/h
21位32ロレンソ・サヴァドーリAPRILIA2’19.703319.6km/h
22位79小椋 藍APRILIA2’21.433325.5km/h