マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)がマルコ・ベッツェッキ(アプリリア・レーシング)からの執拗なプレッシャーを振り切り、ミサノで開催されたサンマリノGPで劇的な勝利を飾った。これにより、マルク・マルケスは日本GPでMotoGP世界タイトルを決める可能性が現実味を帯びてきた。

レース前から波乱、マルティンにトラブル発生
ホルヘ・マルティン(アプリリア・レーシング)は、サイティングラップ中にRS-GPに不具合が発生。ウォームアップラップはピットレーンからスタートし、元のグリッドに戻ったものの、2回のロングラップペナルティを科される苦しい展開となった。
ベッツェッキとマルケス兄弟が序盤をリード
スタート直後、ベッツェッキがホールショットを奪取。ティソ・スプリントと同様、マルク・マルケスが好スタートを切り、すぐさまベッツェッキに襲いかかる展開に。アレックス・マルケスとファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が3位と4位で続いた。
序盤からクラッシュが相次ぎ、ヨハン・ザルコ(CASTROLホンダLCR)とジョアン・ミル(ホンダHRC CASTROL)が1周目の4コーナーでリタイア。小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)も3周目のセクター3で転倒、続いて5周目にはマーベリック・ビニャーレス(レッドブルKTMテック3)がレースから脱落。
5周目時点ではペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリーレーシング)が5位で前方を狙う走りを見せていたが、8周目、チェーンが脱落して無念のリタイア。金曜日に同じ問題を抱えたブラッド・ビンダーと同様のトラブルだった。
ベッツェッキのミスでマルケスが首位浮上
10周目時点で、ベッツェッキとマルク・マルケスが接近戦を展開。1秒後方にはアレックス・マルケスが追走していた。12周目、8コーナーでベッツェッキがワイドに膨らんだ隙を突き、マルケスがトップに浮上。
その後もベッツェッキは食らいつき、17周目には両者の差が0.2秒にまで縮まるも、20周目にはアレックス・マルケスが2秒遅れとなり、勝負は完全にマルク vs ベッツェッキの構図に。
21周目、マルク・マルケスがファステストラップを記録し、0.495秒のリードを築く。ベッツェッキも次の周で応戦するが、差は0.010秒しか縮まらず。
残り4周で0.6秒差まで開いたが、ベッツェッキが再びファステストラップを更新し、0.3秒詰める粘りを見せた。しかしマルケスもすぐさま反撃し、再び0.5秒差へ。
最後まで譲らず、マルク・マルケスが激闘を制す
最終ラップ突入時の差は0.415秒。ベッツェッキが自己ベストのタイムを叩き出すも、マルケスを崩すには至らず。マルク・マルケスは土曜のスプリント転倒から見事に立て直し、貴重な25ポイントを獲得した。
ベッツェッキは後半にかけて終始プレッシャーをかけ続けたが、あと一歩届かず。それでも両者は他を圧倒するパフォーマンスを見せた。アレックス・マルケスはトップ2から7.7秒遅れながらも、イタリアの地元でグレシーニに価値ある表彰台をもたらした。