アルゼンチンにおいて、Ducatiのジジ・ダッリーニャが、カタールGPで使用したデバイスの効果について「平均して7℃リアタイヤの温度を下げることが出来、300g程度のダウンフォースを発生している」と語っています。同時にMotoGP控訴裁判所で、自分達のノウハウをライバルメーカーにも披露することになったことに関してはアンフェアであると感じているとのこと。

Ducati ジジ・ダッリーニャ

「もしMotoGP控訴裁判所で我々のデバイスがレギュレーション違反だとなっていれば、ドヴィツィオーゾの優勝、ペトルッチの6位という結果は剥奪されていたでしょう。デバイスが違反であれば、それを使用したライダー達のレース結果は当然正式に認められるものではないでしょう。」

「ただDucatiはルールを適切に読んで理解していました。それに控訴裁判所の陪審員の前でDucatiが持つノウハウについて説明をする必要があったのですが、これは同時にライバルメーカーの前で、こうしたノウハウをさらさざるを得なかったということでもあります。これはフェアではありませんし、モータースポーツの世界でこういったことが発生するのは正しいとは思えません。

このパーツによってリアタイヤに風を当てることが可能で、レース前のカタールテストの結果ではタイヤの温度を平均して7℃下げることが可能だとわかりました。これはバイクのパフォーマンス向上という意味では大きな意味があります。しかし、もちろんこうしたデバイスは副次的にエアロダイナミクス効果を発生することがあります。

「ただ、これは昨年の終わりにヤマハが採用したウォータースポイラー(レインコンディションで路面からの水がリアタイヤに当たらないことを狙ったもの)に関しても同様で、副次的にこういったエアロダイナミクス効果を発生していたはずです。Ducatiの場合では180km/hで走行している際に300g程度のダウンフォースを発生していると考えています。

昨年ヤマハがバレンシアでこうしたシステムを採用していたため、Ducatiはこれをコピーしたんです。それ以前の練習走行でも使用していたかもしれませんが、バレンシア戦では間違いなく使用していましたよね。Ducatiはヤマハの内容をコピーしたのであって、おそらくこれからは他のメーカーがDucatiをコピーすることになるでしょう。

Ducatiでは風洞実験は行っていません。これは単純にこのデバイスによってダウンフォースを得ることを目的としていないからです。純粋にリアタイヤの温度を下げることが目的なんです。ですからレースバイクでのしっかりしたテストをカタールで行ったことで、リアタイヤの温度を下がる効果が実際にあったため、これを投入したというわけです。」

(Source: Ducati)

(Photo courtesy of michelin, Ducati)