MotoGPチャンピオンシップで全てのMotoGPライダー達と密接に仕事をしているブレンボのテクニシャン達によると、 ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリは、ブレーキへの要求はさほど大きくないサーキットで、難易度指数1〜5段階では3に該当し、今年のカレンダー全体の中で最も低い数字となります。なお。ヘレスとブルノは4、スピルバーグは5です。

曲がりくねった作りのサーキットは、最長のストレートでもわずかに530mしかなく、300km/hからの減速も1度しかありません。16のコーナーがありますが、減速の開始から終わりまでのスピードの差が100km/hを超えるコーナーは3つしかありません。しかし、高い気温によってブレーキの冷却は難しいサーキットでもあります。

ブレンボのラジアルマスターシリンダー

ブレンボのラジアルマスターシリンダーはMotoGPで広く使用されています。レバーにかかる指の力、レバー自体にかかる力が同じ方向に作用してピストンを押すのが特徴で、シリンダーのハンドルバーへの取り付け位置もあり、フリクションを廃した操作が可能、つまりエネルギーを無駄にしないと言えるのです。

レース用バイクに関して、ブレンボはR19RCS Corsa Cortaラジアルマスターシリンダーをラインナップしています。このシリンダーでは、レバーのアイドルストローク(遊び)を3種類から選べ、レバーレシオを2種類から選択が可能です。つまり合計6種類の組み合わせから好みのセッティングを選ぶことが可能です。

サンマリノGPにおけるブレーキ

ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリにおいて、ライダーたちは1周につき12回、合計で31秒間ブレーキを使用します。12のブレーキングセクションでは、制動距離、ブレーキ時間、減速開始時のスピード、レバーにかかるプレッシャーなどが全て異なります。

セクター3ではブレーキが最も使用され、その回数は5回となります。セクタ−1では対象的に5つあるコーナーの中で、ブレーキが使用されるのは3回のみです。そのうち1つのブレーキングセクションでは、減速されるスピードはわずか35km/hです。

サンマリノGPで最もブレーキに厳しいブレーキングセクション

12のブレーキングポイントの中で3つがブレーキにとって要求が高いとされており、3つが中程度、残りの6つがブレーキに優しいとされています。最もブレーキにとって厳しいブレーキングセクションはターン8になります。ここではバイクは268km/hから79km/にまで減速し、減速が必要なスピードは189km/h、これをライダーたちは4.7秒間でこなします。ライダーたちがレバーにかける圧力は5.9kgで、減速度は1.5G、209mの制動距離となります。

(Source: Brembo)

(Photo courtesy of Brembo)

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