バレンティーノ・ロッシが2021年にペトロナス・ヤマハ・SRTから参戦することが決定しているが、2022年はMotoGPのサテライトチームに大きな動きがある可能性がある。MotoGPオーガーナイザーのドルナと各チームの契約は2021年までで、例年どおりであれば2022年から2026年の5年間にかけて新たな契約が結ばれることになる。

KTMは既に昨年8月の段階で2026年まで契約を延長しており、他のメーカーも選手との契約を2022年まで(ホンダはマルク・マルケスと2021年から4年間契約を締結している)していることから、ホンダ、ヤマハ、スズキ、Ducati、KTM、アプリリアが2026年までMotoGPに参戦することはほぼ確実だろう。
フランコ・モルビデッリ
なお、ドルナは各メーカーに2台のサテライトバイクを走らせることを要求しており、2022年は6メーカーがそれぞれファクトリーとサテライト1チームずつを走らせ、合計24台のバイクがグリッド上に並ぶことが予想されている。

現在サテライトチームを持っているのはホンダ(LCRホンダ)、ヤマハ(ペトロナス・ヤマハ・SRT)、Ducati(Pramac Racing/Esponsorama Racing)、KTM(テック3)のみで、上記の流れで事が進めば、2022年からはスズキ、アプリリアもサテライトチームを持ち、Ducatiは1チームの参戦枠を手放す可能性が高い。
中上 貴晶
バレンティーノ・ロッシは、2022年のタイミングでVR46をMotoGPに参戦させたいと考えていると噂されており、ひょっとすると自らのチームで現役を続行するかもしれない。

バレンティーノ・ロッシとヤマハの関係値を考慮すると、VR46がMotoGPクラスでほぼ確実にヤマハのバイクを使用すると考えると、現在ヤマハのサテライトチームであるペトロナス・ヤマハ・SRTはヤマハ以外のメーカーのバイクを使用することになる。そして、もう1チーム2022年時点で変化を迎える可能性が高いのはEsponsorama Racingだ。

LCR、Pramac、テック3は、それぞれホンダ、Ducati、KTMとのつながりが強固であるため、2022年以降もそれぞれのメーカーのサテライトチームであることは変わらないはずだ。となると、順当に考えて若手ライダー育成(可能ならば若手マレーシア人ライダー)に積極的なセパン・レーシング・チームがスズキのサテライトチームになる可能性は高い。
PETRONAS YAMAHA SRT1
セパン・レーシング・チームは、マレーシア国営の石油会社であるペトロナスがバックについており、潤沢な資金源を持つサテライトチームということで、スズキからしてもありがたいはずだ。

Esponsorama Racingについては2022年からはDucatiを離れ、アプリリアのサテライトチームとして参戦する見方が多い。なお、2022年の段階でアプリリアはファクトリー参戦を行い、グレシーニがEsponsorama Racingの枠でアプリリアのサテライトチームとなる可能性も捨てきれないだろう。

VR46については、ドルナCEOカルメロ・エスペレーターが、ロッシがMotoGPにチームを参戦させるなら1枠を確保すると何度が語っている通り、参戦枠の確保、スポンサー獲得には苦労しないはずだ。

2022年はサテライトチームとしてLCRホンダ、Pramac Racing 、KTMテック3に加えて、ペトロナス・スズキ・SRT、VR46(ヤマハ)、Esponsorama Racing(アプリリア)が誕生する可能性が高い。楽しみに待とう。
ジャック・ミラー

(Photo courtesy of michelin)